◆不動産と道
こんにちは。
㈱REGATEの金城です。
本日のコラムテーマ
不動産実務~道の調査ミス!~
です。
不動産の調査に於いて必要不可欠な「道」。
今回はこの道についての過去の調査ミスとか見落とし、落とし穴を書いていきます。
色々な物件の調査をしてきた経験がありますが
この道の落とし穴は結構根深いんです。
不動産の価値において「道」は非常に重要です。
以下のリンクを貼っているので道の重要性についての詳細はご確認ください。
【コラム】不動産の価値~道は非常に重要です~
今回は同業者さんへの情報共有の意味合いもあるので
細かい専門用語はいつものごとくご自身でお調べください(笑)
失敗事例は過去に実際に合った私自身のミスや後輩のミスを覚えている限り詳細に書きだしています。
個人や場所が特定できるようなものではありません。
※約3分で読めます
◆地役権の設定忘れ
まずはコチラの物件。
公図や併合図を確認したら無道路確定。
いわゆる袋地ですね。
こうなったら査定というよりは売主さんに無道路であることを説明し、
購入者が限りなく限定されてしまうという事を念押し。
価格も一般市場に出回る価格は諦めてもらうしかありません。
※無道路はこの売主様に理解してもらうのが一番大変な作業です。
また、無道路の袋地は基本的に隣地所有者以外は買いません。
過去に二度ほど「無道路物件」を売却しましたが、どちらも隣地の方にご購入いただきました。
ただ、今回取り上げた案件は隣地は隣地でも同じ袋地の方のご購入。
要するに購入後も無道路状態の解消はできないんです。
本物件を取得しても接道が取れないにも関わらず、今後の建て替えを検討してのご相談でした。
幸いにして売主様の親族が道路に通じる土地を所有していて、売却のご協力を得られる事になりました。
隣地の方から地役権や通行掘削の許可なども口頭で承諾を得たところで、
売主様の責任事項として
「建築基準法の接道義務を果たすために、隣地所有者から通行地役権若しくは通行・掘削の許可を得る」
という特約を付して売買契約締結&引き渡し。
引き渡しから半年後、、、買主様から着信。
「なんか嫌な予感・・・」
私「○○さんお久しぶりです!何かトラブルでもありました?」
買「例の通行権の設定っていつやるんですか?
私「え??購入後すぐに対応しませんでした?」
買「はい。担当の○○さんからの連絡を待ってましたが何も来ないんです」
○○はこの後しばらくしてから退職しています。
しかもこの○○はかなりの問題児・・・
やるべきことを目の前で書き出してチェックさせながらやったにも関わらず絶対に抜けがあるというトラブルメーカー(笑)
家屋調査士と司法書士につないだことで安心してしまい、○○に進捗確認をしていない私のミスですね。
私「すぐに対応します!!」
幸い○○に電話をしたら出てくれました。
私「あの件どうした?覚えている?」
○○「あの件は~。。。家屋調査士にお願いしたから大丈夫です。それより久しぶりですね~。。。。」
私「いや、雑談している暇はない。それじゃ!」
家屋調査士は地役権部分の図面を書いただけで地役権の設定は司法書士の仕事。
司法書士に確認しても「聞いていない」とのこと。
すぐに売主様と隣地の親族さんに連絡を取って地役権の設定と通行権掘削の許可を得る話し合いをしました。
話し合いの結果、地役権の設定ではなく、建築の際に通行使用権と掘削の許可を出すという公証文を交わすことで着地。。。
一通りの処理を終えて一安心。
これが隣地の方の承諾を得られなかったらと思うとゾッとします。。。
今回のミスは引き渡し後も部下の仕事を逐一チェックしなかった私の凡ミスです。
◆1cm足りない
コチラは同僚の案件で直接私が関わっていないので記憶を頼りに再現してみます。
築25年ほどのRC分譲住宅の販売。
大きめの土地の真ん中に位置指定道路を通し、該当物件は旗竿の形で文筆して分譲。
建築業者さんは現在も健在で分譲建売を精力的に頑張っている業者さん。
このケースでは測量図面などがきちんと保管されていました。
買い手さんも決まり順調に契約。
融資の本申し込みの時に銀行から連絡。。。
銀行「測量図面を見ると接道が2m満たないですよね?」
担当の同僚は青ざめた顔しながら図面を確認。
確実に1cm足りない数字が記載されています。
専用通路を半分から割っているんですが、該当物件の間口は199cmの記載。。。
というか建てる時はなぜスルーされたのか不思議だな。
同僚はすぐさま分譲会社に電話をして担当者を引っ張り出し
「お前らの責任で売主は再建築不可の物件を買わされたんだぞ!」
「この融資が通らなかったらどう責任を取るんだ!」
と激おこのご様子。
横で見ている分には面白かったのですが、明日は我が身の気持ちで見守りました。(笑)
というか調査の時点で数字が出ている測量図面があるなら気が付くよね??
そう、完全に同僚の見落としです。
自分が見落としたにも関わらず分譲会社に怒鳴り込み。
凄い思考の転換だ。
こうでもしないと仲介で食っていくことはできません(笑)
冗談はさておき、専用通路部分の所有者がまだ分譲業者の所有になっていたので
足りない分の1cmを分筆譲渡してもらう形で着地。
無事に融資も通り引き渡しとなりました。
ぱっと見は大丈夫な道に見えても調査をしたら問題発覚って意外に多いです。。。
私も気をつけよ。。。
◆拡張予定の見落とし
コチラも私が直接関わっていないので記憶を頼りに再現。
このケースもぱっと見は普通の道です。
県道沿いの昔ながらの区画整理地。
区画整理されただけあって地型もよく平坦地。
境界標などは無く、引渡し前に確定測量を入れて決済。
ひと月ぐらいしてから買主さんから担当者に電話
買「予定していた建物が建てられん!どうしてくれるんだ!」
担当「なんのことですか?」
買「県道が拡張するらしくて予定していた場所に建物が建たないんだ!」
担当「すぐに確認します!」
蓋を開けたら道路拡張が確定していて土地の一部が収容予定に掛かっていたとのこと。
買主さんの設計士が気が付いて指摘してくれたらしいです。
ぱっと見は普通の交通量の多い県道。
歩道も広く、拡張の必要性は感じられない道でした。
担当者は道路の確認をしたときに「県道」で基準法42条1項1号の接道だから大丈夫。と認識したらしい。
市役所調査の段階で県道や国道と判明した時にそこで調査を止めてしまったのが大きなミスです。
県道事務所に確認したら確実に拡張の予定と収用の決定も分かったはず。
運が悪く?売主さんのもとにも収容の通知などが届いていないタイミングでの売買。
県道で大きい道だからと言って拡張とかは無いだろうという慢心が引き起こすミス。
恐らく新人の頃であれば県道も国道も調べた事でしょう。
調査や売買に慣れてしまって自分で勝手に判断したことが引き起こしたクレームでした。
土地の買い戻しと再販売で事なきを得たんですが、、、
後日担当者に「大変だったね」って声を掛けたら。
「びっくりしましたね~(笑)どうにかなるもんですね」
と鋼のハートっぷりを見せつけられました。。。
◆慣れと過信が最大の敵
不動産屋は調査に対しては臆病であれ。
自分を過信してはいけません。
これは大丈夫。
今までも大丈夫だった。
調査に行くの面倒。。。
ある程度数をこなしてしまうと
「慣れ」と「過信」が生まれます。
ぱっと見は変哲もないモノが大きなトラブルを秘めていることも多々あります。
何の変哲もない物件を調査する時こそ
「絶対何かある」
と疑ってかからないといけません。
特に管理職になってしまうと極端に現場を見る機会が減ります。
部下に任せるのはいいんですが、
部下の調査を信じてはいけません。
不動産って一つのミスで大きな代償を支払う事になります。
このミスに対して常に臆病になっていないと、絶対にやらかします(笑)
先日過去に何件くらいの案件を成約したか数えていたところ、問題が無く引き渡せた案件はあまり覚えていないんですが
今回書いたようなトラブル事例は事細かに覚えているもんです。
このトラブル事例の積み重ねこそ不動産仲介業の宝物だと思います。
今回のケースが同業者さんのトラブル回避に役に立てれば幸いです。
今後も沖縄の不動産あるあるや仲介業の実務なんかを書いていきます。
気が向いたら未来の妄想も書きますので応援よろしくお願いいたします。
では~
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