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コラム

不動産実務のお話~管理会社編~

【コラム】不動産実務のお話~管理会社編~のイメージ

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

本日のコラムテーマ
不動産実務のお話~管理会社編~
です。

最近コロナ関連の話と不動産市況悪化の話などの暗い内容ばかりだったので、
気分を変える意味で少し不動産の実務について書こうかと思い立ちました。

その中でも「賃貸管理」について具体的に書いていきます。
不動産屋さんの悪口やマイナスな印象がネットに溢れていますが、
管理の実態をお伝えすることで少しは内情をわかっていただければと思います。

私が経験した管理会社の業務内容なので少し偏った考え方もありますがご容赦ください。
不動産業に転職を考えている方の参考にもなればいいな~。

不動産賃貸管理業とは?

まず私が生業としている不動産業ですが、業種は数多くのジャンルに分類されます。
・売買仲介
・賃貸仲介
・地上げ(デベロッパー)
・マンション建築&販売
・マンション販売代理
・買取&転売
都市開発や分譲開発など上げていけばキリがありません。。。

さて、そんな中でも本日のテーマとなっている
「賃貸管理」
を深く掘り下げていこうと思います。

今回なんで管理会社について書こうと考えたかというと
私が実際に体験したことのある業種なので詳しく伝えられそうだという事と、
SNSなどで
「対応が遅い」
「やる気がない」
などと批判の対象になりがちな業種なので
実際になぜこんなに評判が悪くなってしまうのかを知ってもらいたいと思ったからです。

また、不動産業に転職を考えている人の中では「管理」が楽そうだな~という印象をお持ちの方もいると思います。
そんな人たちに少しだけでも内容が伝わるようにまとめていきます。
不動産賃貸管理業に興味が無い方はここでページを閉じていただいても構いません(笑)

管理業務の内容

まず、管理会社って何をしているのか?
読んで字のごとく「不動産の管理」を行っています。
一般的には賃貸物件の入退去の管理をイメージしますが、概ねその想像に間違いはありません。

簡単に管理の内容を挙げます

・入居契約=入居者との賃貸借契約を行います
・退去受付=退去者の退去予定日を受け付けます
・賃料徴収=賃料の不払いがあるときに徴収します
・入居募集=空室が出たら入居者の募集を行います
・入居案内=空室の内覧希望者をご案内します
・退去確認=退去者との原状回復などの確認をします
・巡回清掃=管理物件の掃除などを行います
・入居者対応=入居者から室内の不具合などの連絡があった際に対応します

ざっとこんな感じですかね。
「な~んだ。簡単じゃん」と思った方は大間違い。
「だからいつも事務所でPC見ながら暇そうにしてるんだ」と思った方にはビンタしたい気持ちになります(笑)

前にもコラムで取り上げましたが「管理会社が一番つらい」んです。。。

一見すると単純な業務ばかりに見えますよね。
でも、上記の業務内容のうち自分のタイミングで行えるものって「巡回清掃」くらいです。
それ以外は突発的に起きるのでスケジュールを組むことができないんです。

業務が伝わりやすいように少し私の経験した一日を書いてみますね。

05:00 
明け方に入居者からの「水道から水が出ない」とのクレーム。
06:30 
出社前に現地に行くと子供のいたずらか水道の元栓が閉められていた。。。
07:30 
そのまま出社したら物件の案内のアポがあり、それに合わせて資料の準備と空室物件の空き状況をネットにアップ。
09:30 
案内の希望者と待ち合わせをしたら一時間遅れるとの連絡。。。
10:00 
待っている時間ももったいないので案内物件の近くの空き物件の清掃に向かうと、
10:15 
「やっぱり約束の時間でお願いします」との連絡。。。
11:00 
物件に戻ってご案内をしていると今朝のお客様から「また水道が出ない」という連絡。
11:15 
水道栓の位置などを説明しても「分からないからあんたが来て対応してくれ」とのこと。
12:30 
ご案内を終えて水道栓の現地に行ったらまた誰かに閉められている。
13:30 
連絡のあったお部屋の住人に説明をして、「今後水が出なくなったらここを見てね」と伝言。
14:00 
各部屋に元栓が頻繁に閉められているので、お子様に注意してくださいという喚起文書を投函しないといけないな~と考えていたら
14:15 
先ほど案内した方が「申し込みをしたい」という連絡。
15:00 
事務所で待ち合わせて入居申し込みの審査用紙の記入と入居までの流れなどを説明。
16:00 
入居の説明を終えて入居審査を保証会社にFAX&水道栓の注意喚起文書作成
16:30 
該当物件にポスト投函
17:00 
入居審査通過の連絡&お客様に通過の連絡と契約日程の調整
18:30 
退去委案件の退去チェック立ち合い
19:00 
家賃滞納者宅へ訪問
20:00 
滞納者と面談&納期を通達
20:30 
帰社&翌日の契約準備と退去立ち合いや案内のスケジュール確認
21:00 
「廊下の電気が割れている」との連絡・・・・

少し思い出しながら書いたんですが、、、嫌になってきました。(笑)
これを全従業員がフル回転でやっているんです。
しかもほぼイレギュラーで舞い込んでくる仕事です。
そりゃ各案件の対応も遅れますよね。
「遅い!」ってクレームにもなりますよ・・・

上手く事務所に居るスタッフと連携取りながらやればいいんでしょうが
基本的にどのスタッフも仕事を山のように抱えています。
どこの管理会社さんでも同じような状況だと思います。

人員を増やせない?

「人員を増やせばいいじゃん」と思いますよね?
簡単に増やせない理由があります。

沖縄の場合ですが一般的に賃貸管理のパーセンテージは家賃の5%

平均的な家賃として55000円の5%なので一部屋あたり2750円の管理費が取れます。
従業員の給与は福利厚生も考えると大体20万円前後。
単純な計算ですが20万円の従業員を一人雇うためには72部屋の管理が必要。
でも72部屋だけでは従業員の給与と相殺されるので会社の利益まで考えると100部屋は必要になってきます。
100部屋で会社はトントンかマイナスくらいです。
ここに仲介手数料などが上乗せされてようやく会社の利益が出てきます。

月に20万円で先ほどの多忙な業務なので離職率が上がります。
離職率が高いと残った従業員に仕事が降りかかります。
新人が入っても業務を教えて覚えたころに辞めます。。。

ずっと人員の自転車操業の状態です。。。。


変なクレームと実務の多忙さ・・・

管理会社のつらさが伝わったと思うのでここで私が実際に扱った変なクレーム事例を。。。

・上階の人が秘密結社の人間で私たち夫婦の命を狙っている!どうにかしてくれ!
→警察も呼んで対応して半日以上夫婦をなだめました。最終的には私たちも「全員秘密結社の一員だ!」と言われました(笑)

・隣の住人がいつも夜遅くに室内を透視してくる(幽体離脱って言ってたかな?)
→「証拠も何もないので対応できない」と言ったらずっと携帯が鳴りやまないので、最終的に現地に立ち会ってお隣さんとお話をすることに・・・お隣さんが怖がって引っ越すことになりました。

・アパートの一階が汚物まみれの水で溢れている
→上階の誰かが布をトイレに流したせいで詰まってしまい一階のトイレに溢れだした。ものすごい惨状でした。業者と一日がかりで清掃することになりました

・入居はしたけど思っていた環境じゃないから家賃を返せ
→もちろん返せません・・・

・部屋から異音がする!眠れない!
→実際に部屋に行っても音は聞こえず、「ほら!今聞こえるでしょ!」とアピールされたが同席したスタッフ全員聞こえませんでした。

上記のような常識を逸脱したクレームも本当によくありますが、それ以外にも小さな補修依頼などが次から次へと襲い掛かってきます。
その波をかき分けながら業務を行わないといけない上に売り上げ目標まで設定されています。
新規のアパート管理を取得するためにDMも送るし、オーナーさんに直訪もします。
新規のアパートを受託したら新たに入居募集をしないといけなくなります。
新しく受託したらその分だけ細かいクレームも増えていきます。

仕事をすればするほどに業務が増えてしまう仕組みです。
この時の私の先輩はほぼ一日中携帯が鳴りやまない人でした(笑)

台風の後なんてもうお祭り騒ぎです。
一回の台風で二週間ほど復旧業務に取り掛かることになります。。。

管理はつらいよ

どうでしょうか?
ご自身がお住いの管理会社に対して「対応が遅い」とか「なんで折り返しもしないの?」という不満をお持ちだと思いますが
内情を知るとそんなに強く文句を言えなくなりませんか?
「あの人にお願いしていたのにどうなっている?やめた?」
という事も日常茶飯事ですよね。
そりゃ辞めたくもなります(笑)
私が管理会社を辞めたのは忙しさが理由ではなくステップアップのためでしたが。。。
いや、そのうち嫌になって辞めてたかも(笑)

今回は別に管理会社を擁護するつもりで書いた記事ではありません。
実際に仕事に忙殺されて業務ができなくなっている人もいますが、ただ単純にそのスタッフの対応が悪いだけという事も往々としてあります。

先にも述べたように管理会社の収益構造上サービスが低下してしまうのは仕方がないことなのかもしれません。
5GやRPAなどのテクノロジーの進化で業務が効率化してくことで管理会社の質も上がっていくものと期待しています。
管理会社って不動産業の根っこの部分にある大切な業務です。
これからもう少し優しく接してあげてください(笑)

ここまでいろいろ書いといて思う事は
「管理会社はつらいな」
と改めて実感しました・・・

最初に暗い話が多いので・・・って前置きしときながら暗い内容にしてしまいすみませんでした(笑)


では~


※最後まで読んでいただいてありがとうございます。

今後も「沖縄の不動産あるある」「沖縄の不動産売買」「不動産売買のケーススタディ」についてもいろいろと書き綴っていこうと思いますので、応援よろしくお願いいたします。

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