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Column

コラム

◆相続物件の売却事例

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

本日のコラムテーマ
不動産実務~相続物件の売却パート2(後編)~
です。

今回は二部編成なのでまだ読んでいない方はコチラを先にお読みください。
【コラム】不動産実務~相続物件の売却パート2(前編)

書いていくうちに記憶がどんどん戻ってきてかなりのボリュームに(笑)
しかもまた汎用性がない気がしてきました・・・すみません。

フィクションとノンフィクションの間の読み物としてご参照ください。

この案件の特徴
・相続発生したばかり
・相続人の関係が疎遠
・亡くなった父親の借金(税金)がある
・相続人の相手方に住所を知られないようにしたい
・虐待は連鎖する?

上記の内容をまとめてみました。

※後編は約5分で読めます

◆引っ越し後の片付け

前編で実母との感動の再会を果たし、妹さんからの媒介もいただけました。
司法書士と並行して遺産分割協議書の作成も進んでいるし、、、

まずは依頼者に引っ越しをしてもらって物件の後片付けだ!
という事で依頼者に引っ越し&退去の日程を再度確認。

言っていることが支離滅裂なので引っ越しをしないとか言い出されても困りますし。。。

懸念していた引っ越しは取りやめの事態に発展することはなく、既に引っ越し先も決まっているようで日程もずれることなくスムーズに退去してもらいました。
この時、引っ越し費用と新居の契約金を貸してくれと言われましたがもちろんお断りしました(笑)
信用できる人でどうしても必要なら引っ越し費用などをお貸しすることもしますが、
この方は私の中でお金を貸してはいけない人だと思っていましたし、奥さん曰くお父さんの生命保険金で引っ越し費用くらいは捻出できると言っていたんで。。。

さて、次のステップは引っ越し後の後片付けです!
想定内でしたが室内のごみや汚れはそのまま放置。
家具や食器類なんかも置きっぱなし。。。

本人が「室内のモノは全部要らない」と主張するので
残置物の処分に関する覚書に署名押印してもらい業者の手で処分することに、、、

結果として10tトラック一杯分のごみや不用品が出てきました。
目隠しをしていた窓枠のアルミ板や手作りの小屋なんかも全て解体して、外観はとてもきれいになりました。

ここでようやく
「この物件、売れそう」と確信できるようになりました(笑)

余談ですが依頼者から
「これだけは持っていくから捨てないで」
と言われたモノがありました。
模造品の日本刀です。。。

金髪のドレッドでタトゥーだらけのあんたがこれ持って歩いてたら職務質問の嵐だよ。。。と思いましたがスルー。
刀には価値があると思っていたらしいのですが、何処のリサイクルショップでも買取してくれなかったみたいで、
「金城さんにあげます。使ってください」と置いていかれました・・・
・・・要りませんし、使いません(笑)
そのまま業者に処分させました。

モノが無くなって風通しが良くなったお部屋。
充満していた悪臭も弱まっています。。。
そうなると見えてくるものがたくさん出てきました。

Gの死骸だらけのキッチン。
カビだらけのお風呂。
雨漏りしまくりの居室。
散乱していたモノに隠された穴。穴。穴。。。

「やっぱり売れないかも・・・」(笑)

後日リペアしたり大掃除をしたり、壁紙をはがしたりしてどうにか売り物にすることができました。
ここで更に次のステップです。

◆不正受給の確認

ようやく売り出しができそうな状態に持ってきましたが。。。

でも忘れてはいけないことが
「亡き父親の年金不正受給」です。

売買代金を兄妹で分ける予定ですが、お父さんが不正受給をしていたという弁済する年金の金額が見えないと、いくら弁済をして、いくら残るかが分かりません。
年金事務所からの通知は依頼者がすぐに捨てたとのこと。←捨てるなよ!まじで。。。

依頼者にいくらくらいだったか聞いてもらっても
「よくわからないです。あの窓口のやつ対応超悪いんすよ。10万~200万、500万だったかな?」
というふり幅の激しい金額(笑)
いや窓口が対応悪いのはあなたの聞き方と見た目のせいです。。。とは口が裂けても言えません。

埒が明かないので妹さんに協力してもらって年金事務所に問い合わせをしてもらう事で正確な金額が分かりました。
(そう。依頼者さんに窓口などの問い合わせをお願いするこっちが悪いんです、、、反省)

詳細は個人的な事なので伏せますが公的年金を二重に受給していることが判明して返還要請が来ていたとのこと。
年金事務所の人もお父さんは亡くなっているし、住所地に住んでいる依頼者以外に連絡が取れないし依頼者は支離滅裂で困っていたとのこと。。。
今回妹さんが現れたことで年金事務所の職員さんにも喜ばれて、売却代金からの弁済の意図を伝えたので一括弁済の期限を猶予してもらえる事になりました。

この時点でお父さんの不正受給の年金を使い込んでいたのは依頼者だという事も分かりました。。。
よく考えたら入院していて寝たきりだったお父さんが使えるはずもないですよね、、、、

ここでまた不安が。。。
「お父さんの入院費用とか葬儀費用はちゃんと払ったのか?」という事。

本人に確認しても多分本当の事は話さないのでこれも妹さんのご協力を得て確認。
入院先の病院と葬儀を行った葬儀屋さんに聞くと死亡保険金で支払われたという事でした。

なんでもお父さんが息子の金遣いを心配して
「死んだ後に他人様に迷惑をかけたくない」
という事で保険金の支払いと受取人を親戚の叔父さんに指定したらしく、無事に支払われたという確認が取れました。
葬儀代と入院費用を支払った後は、保険金の残額は依頼者に全て渡したという事も分かりました、、、
見事に葬儀の香典は全て使いこんだらしいし、本当にどうしようもありません(笑)
妹さんに少しでも多く残してあげたい気持ちになりましたが
「兄が拗ねると厄介なので売却代金の半分だけで良いです」とのこと。
天使に見えました(笑)

幸いなことに抵当権の残債無し、年金の弁済額も400万円程度。
無事に不動産が売却できれば兄妹で分ける分のお金は十分に手元に残るという事が分かりましたので、これでやっと販売活動に専念できます・・・

◆決済の段取り

エリアの希少性と物件を大掃除した甲斐があり購入者はスムーズに見つかりました。
買主さんにはこちら側の兄妹の事情も説明し、契約書を1/2の持ち分で二冊作って二重に署名押印してもらう事も納得してもらい、
銀行審査も無事に承認。

残すは決済。。。

当初は横浜に行った依頼者と逃げている妹さんの両方とも遠隔で行う段取りを組んでいました。
事前に司法書士による本人確認&委任状を作成し、私と司法書士と買主さんが銀行で立ち合い、銀行の買主さんへの融資実行が完了したら兄妹の口座に振り分けてお振込みという感じです。

ところがどっこい。
決済の資料を揃えて当日を待つだけという段階で依頼者さんが
「当日は同席します。お金も全て僕が振り分けます」
と言ってきました。。。

この人、年金の弁済と妹への支払いをせずに持ち逃げしようとしているな。。。

ここで来てはいけませんというワードは依頼者を激昂させるのでNG・・・
淡々と
「お越しください!何時に○○銀行の〇〇支店です!」
とお伝えして電話を切りました。

さてこうなったら依頼者にお金を渡さずに年金の支払いと妹さんへの支払いをするために手回しが必要です。
買主さんには契約時にもこちらの事情を説明しているので全面的にご協力いただけることになりました。
司法書士ももちろん事情に精通しています。
あとは銀行の融資担当者さんに事情を話して融資実行時に現金を窓口に出すことなく
出金&振込&弁済を全て伝票で済ませることに。
当日は依頼者も妹さんも決済完了後には通帳にそれぞれの残額が振り込まれるという感じです。
お金が目の前に出てくると何をするかわからないので仲介手数料や司法書士の手数料も全て通帳振込で完結するように準備しました。

これで準備万端。
いよいよ当日が訪れ依頼者が現れました。
ボッテガのセカンドバッグとロレックスをしています。。。
いつもは革のサンダルなのにナイキのスニーカーを履いています。。。

多分、この高級ブランドの品々は今回の売却代金が入ってくることを見込んでカードか何かで買ったんでしょう。スニーカーも走って逃げやすくするためかな?(笑)
なんだか予想通りの金遣いと行動に面白さも感じ始めましたが、残念ながらこの日が最後。
決済後にこの方と会う事はないでしょう。(笑)

血走った目とタトゥーだらけの顔で銀行のブースに座る依頼者。
現金が出てくるのを今か今かと待っている感じがひしひしと伝わってきます。

司法書士と私と銀行担当者は彼が来る前に全ての書類関係の処理を済ませています。

銀行担当者さんが
「すべての手続きが完了しました。あとは各自の通帳にてご確認ください」
と言い放ち、我々も全員がありがとうございました~と解散ムード。

びっくりしている依頼者に
「お金は?現金は?」
と聞かれ
「○○さん。無事に終わりましたね!通常はこの流れで現金はでてこないんですよ。あとは個人の通帳に金額が入っているか確認して全て完了です。この度はお取引を頂きありがとうございました!」
と伝えながら仲介手数料、司法書士手数料などの諸々の領収書を手渡して無事に決済終了。

依頼者は腑に落ちないような感じでしたが通帳の記帳をしてその場を後にしました。

なんだかかわいそうだな~と少し同情し・・・するかい!(笑)

お金を持ち逃げできると本気で思っていたんでしょうね。
事前にいろいろと準備していた甲斐がありました。

後日妹さんからは感謝の言葉とお引越しをしたとの連絡を受けました。

◆臨機応変な対応と準備

この不動産仲介という仕事の楽しさと難しさは
一期一会で毎回違う取引という事ですね。

登場人物も違うし、売却物件も違う。
関わってくる業者や銀行員も違ってきます。
色々な経験を積んで事前に対策をとることでスムーズに取引を行えます。

今回のケースのようにお金の使い方が危うい人にはお金を持たさないようにするし、
住所を隠したいという要望があればできる限りご協力します。

我ながら今回のケースにおける危機察知能力は優秀だったと評価しています(笑)
というか私以外の人が対応したら無事に決済まで行けたのかな?とも思えるくらい色々な事が出てきました。


不動産の仲介は会社の規模や従業員の数で優劣が付くものではありません。
あなたがお持ちの不動産。
少しでもややこしいと思う懸念点があるなら、是非私までご相談下さい。

ちなみに決済完了後に依頼者の住所地の児童福祉課に電話をしました。
「○○に住んでいる○○さん、虐待の可能性があるので確認してみてもらえませんか。以前沖縄に住んでいる時に娘さんが気になってて、そちらに引っ越したみたいなので・・・」
と伝えたところ
「あ~○○さんね、既に近隣から虐待の疑いありで通報されていて厳重監視しています。ご協力ありがとうございます。」
という回答がありました。

この行動はやりすぎかと今でも葛藤していますが、万が一こっちの勘違いであれば、それはそれでOKだと思いました。
知らないふりして後日ニュースなんかであの娘が亡くなったとか見た日には、絶対に後悔してしまうと思ったものですから・・・

あれから数年。
虐待で逮捕されたニュースが出てこないので娘さんは無事に保護されんだと願います。。。。

今後も沖縄の不動産あるあるや不動産実務体験記、妄想による未来予想などを書いていきます。
では~


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