◆ほんとにあった怖い話?
こんにちは。
㈱REGATEの金城です。
本日のコラムテーマ
不動産実務~ヒヤッとした怖い話
です。
怖い話とは言ってもお化けとかの類ではありません(笑)
実務をする上で契約後や決済前、引き渡して一週間後くらいに訪れる怖い話です。
不動産の売買仲介経験者はみんな大なり小なり体験していると思うんです。
話の流れや確認事項で予め連絡が来ることになっていれば問題ないのですが、
通常は電話が来るタイミングではない時の着信。。。
契約の直前のお客様からの電話・・・
契約後のお客様からの電話・・・
決済前のお客様からの電話・・・
引き渡し後のお客様からの・・・
この着信は
「なんか嫌な予感」
が的中して嫌なことが起きる確率が高いんです(笑)
特に新人の頃や、対応したことのない案件の時なんかに起きる
「自分でも気が付いていないミス」
これはトラブルが起きたときに頭をフル回転で対応しないといけません。
このコラムは同業の方も読んでくれているという事なので
是非とも私の過去のミスをケーススタディとして参考にしていただければな~という思いで書いてみます。
なので細かい言葉の解説はしませんので、わからない単語などはググってください(笑)
事例は私が不動産売買仲介デビューをして最初の頃に重なった出来事です。
おかげでどんな案件も「常に抜けがある」という自覚が芽生えました(笑)
購入者さんや売主様は
「不動産売買ってこんなことも起きるんだ~」くらいに気軽に読んでみてください。
※約5分で読めます
◆農地転用の分筆案件
まずこの案件。
初めての農地転用案件でした。
非線引き区域・無指定の地目が畑の物件。
添付の図のように分筆して双方に2mの専用通路を確保。
売主さんが難しい方で測量や分筆の費用を出すことを嫌がったので
売買契約後に確定測量&分筆を行う事で合意。
面積の最低限度など諸々をクリアしながらの分筆案。
公図と設計士のCAD図面を使用して、ある程度のラインが決まったところで売買契約。
買主さんにはそのまま設計契約&請負契約に進んでいただいて私は農地法5条の申請。
さて、ここで落とし穴に気が付かなかったド素人の私。
決済期日の二週間前に農地転用の許可が出ました。
これで一安心。
並行して進めていた分筆作業の進捗を確認したところ家屋調査士からこんな一言。
「これこのままだと事前に貰っていた図面よりも面積が大きくなってしまうよ」
とのこと。
CADの現況図面と違って実測では越境が見つかって修正したとのこと。
「小さくなったら問題だけど大きくなれば大丈夫じゃん?」
と軽く考えていた私。。。
翌日農地転用の許可証を貰いに農業委員会へ。。。
「面積が違ったら農地転用の申請やり直しだよ」
という事実を知らされて一気にテンパりました。。。
翌週に控えた決済。
この売主さんも買主さんも条件などを譲歩しない方々だったので
こっちのミスで決済が延びるなんて絶対に許される空気じゃなかったんです。
農地転用の再提出なんてできません。。。汗
今から間口の面積と分筆のラインと分筆後の面積を合致させないといけません。
しかも専用通路分の2mを確保しながら面積を合わせるという難しい作業。。。
残地の専用通路も2m以下にならないように・・・
※参考図を見てみてください
家屋調査士に頼み込んでどうにか仕上げてくれ!と祈りました。
二時間後に
「どうにかラインと面積が合致するポイントを見つけた!」
と言われたときにはホッとしました(笑)
ギリギリで分筆ラインが決まり官民の立ち合い申請。
無事決済に間に合わせて確定測量と分筆が完了しましたが生きた心地がしませんでした。
これ以降、分筆と農地転用が重なるときは事前に家屋調査士に測量をさせるという癖がつきました。
今となっては当たり前でも分からずに進めるとこんな初歩的なミスをするもんです。
このケースのミスは初めての農地転用なのにちゃんと調べずに進めてしまったという事でしょうかね。
◆仮登記と農地の事項取得
このケースは登記簿の見落としです。
地目は畑で売買後に地目変更をする予定でした。
昭和50年に「仮登記 所有者Aさん」という記載があり
平成9年に「時効取得 所有者Aさん」となっています。
仮登記が気になっていたもののAさんが取得したことで混同によって仮登記は消えたもんだと判断。
物件の売却査定依頼もAさんからの依頼。
免許証や権利証も見せて貰い本人確認もしていたので大丈夫だろうと何も考えずに売買契約。
銀行の担当者は私と同じ初心者組っぽい感じ。
しかも何かとマニュアルに沿った確認事項ばかりで電話も長い。。。
他の案件も同時に進めていて日々の時間に追われていた私は正直、この担当者とのやり取りが嫌になっていたんです。
融資の審査にかかった時に銀行の担当者から
「この仮登記の経緯を示してくれ」
という事。
私は
「仮登記も何も時効取得でAさん本人が取得しているから混同で利害関係が無くなっているでしょ?関係ないんじゃないですか?」
と強気で突き返したら30分後に
「審査否決となりました」
とのこと。。。
買主さんは既に設計士と設計契約&建築請負契約まで済ませていて融資否決は寝耳に水。
すぐに司法書士に確認したところ
「仮登記の時と時効取得の時でAさんの住所が違っている、登記簿上は第三者とみなされるので仮登記が未だに有効」
「農地法の規定で時効取得による権利移転は問題があったはず」
とのこと・・・
売主のAさんに事の経緯を確認したら昔この土地の相続で家族と揉めたらしく
相続人に当たらないAさんがこの土地を取得することを親戚から反対され所有権の移転に必要な書類が揃わなかったとのこと。
どうにか土地を取得したかったAさんが相談した司法書士が
「仮登記をして時効取得をする」という方法を教えてくれたらしいです。
時効取得の移転の時もその司法書士が先導したとのこと。
よくよく調べると農地の所有権移転登記は相続による移転ならすんなりと認められますが
第三者による時効取得による移転は基本的にNGらしいです。
農業従事者の証明が取れない人が、時効で取得して転売するという手法を濫用した時期があるらしく、
農地法の脱法行為として厳しく監視されるようになったらしいです。
時効取得を原因とする農地についての権利移転、又は設定の登記の取扱いについて
今回のケースの問題は「仮登記」なので農地の時効取得事体は大きな問題になりませんでしたがいい勉強になりました。
今回のミスは
・私の思い込み、登記簿の住所などのチェックミス
・融資担当者とそりが合わないので毛嫌いした
・売却前に事前に司法書士に確認してればすぐに判明した
という最悪のミスの重なりで起きてしまいました。
すぐにAさんによる仮登記の抹消手続きをして銀行の担当者に謝りに行って事なきを得ました・・・
更に怖い事にこの仮登記と先ほどの分筆トラブルは同じ案件なんです・・・(笑)
前任者から引き継いだ事例で売主・買主が揃ったタイミングで私が入ることになり、
先輩が既に調査とかも済ませている案件だから大丈夫だろう、見落としも無いだろう。。。
という慢心が招いたミス連発の案件でした。
誰から引き継いでも、同業者が調査してまとめた案件でも
「絶対自分で調査する」という事を徹底するきっかけになりました。
◆本当にあった怖い事例
ここで少し趣向を変えて本当にあった怖い事例をご紹介。
相談者は実家を相続した若い男性でした。
色白で生気が無く、なんだか少し鬱気味の印象。
待ち合わせ時間に30分遅れてきても謝罪も無し。
面談中に「疲れた」
と言ってその場でいびきをかいて寝てしまう始末・・・
変な人だな。と警戒しながらヒアリングを続けました。
実家は相続してからしばらくは誰かに住んでもらったが、もう出ていったので売りたいとのこと。
荷物も散乱したまま出ていったので全部処分して更地にしたいという意向。
現地は鍵がかかっていないので勝手に中を見ていいとのこと。。。
後日現地の中を見に行くと予想通りの乱雑な室内。
荷物をかき分けながら室内を調査していると仏壇間の足元に無造作に転がる白いものが・・・
よく見たら「骨壺」です。
しかも享年6歳と女の子の名前が書かれています。。。
室内が荒れているのはよく見るけど骨壺が無造作に捨てられているのは初めて見ました。。。
近所に聞き込みをしたら依頼者の両親はこの物件で自殺。
その後に住んでいた人は学校の先生をしていたが精神を病んでどこかに行ったとのこと。
小さいお子さんが居たけどどこに行ったかな?という感じでした。
この後、依頼者とも連絡がつかなくなり売却には至りませんでした。
空き家の中でホームレスが孤独死をして事故物件になってしまったり、
動物の死骸が転がっている室内を散策したり、
飼い猫の糞を始末しないで室内に放置していたり。。。
色んな物件を見てきましたがこの骨壺の物件が一番気味が悪かったのを覚えています。
◆思い込みを無くす
最後になりますが不動産の仲介をしていて
「やば・・・」
「まじか!」
「うわ~どうしよ!」
という事例って結構頻発します(笑)
私が新人の頃、ありがたいことに周りにいる先輩たちがこういった地雷をたくさん踏んで自爆してくれてたので(笑)同じ轍を踏まないように立ち回ることができていました。
でも、先ほどの事例のように農地転用の面積は申請後に変更できない事や、仮登記の名義人の住所をスルーしてしまうなど自分自身の思い込みが呼び寄せるミスってたくさんあります。
先輩方のミスも自分のミスも共通することは
「思い込みが生んだミス」が圧倒的に多いという事。
また、「大丈夫だろう」という慢心や「前は大丈夫だったから」という慣れも大きなミスを呼び寄せます。
新人の頃に沢山の地雷と自爆を目の当たりにさせてもらえたおかげで
今となっては「立派な臆病者」に成長しました(笑)
不動産の調査って臆病になって自分の目と判断を疑いながらやってもミスが出てくるものです。
私たち仲介業者にとってはミスですが、お客様にとっては人生で数少ない大きな買いものです。
ただのミスでは済まされないという事を肝に銘じて
これからも臆病に磨きをかけながら、自分を信じないで不動産と向きあおうと思います(笑)
本当はもっといろんな事例を書きたかったのですが、
別のミス事例はまた次の機会に書いていきます。
ほんとにあった怖い事例や物件も気が向いたら書いてみますね。
ご期待ください。
今後も沖縄の不動産あるあるや不動産実務体験記、妄想による未来予想などを書いていきます。
では~
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