不動産業界の
古い「枠」を取り壊して、
新しい「門」となる。
It will be a new "gate" by demolishing the old "frame" of the real estate industry.

BLOG
9月21日
2022
不動産仲介実務〜媒介の嗅覚〜

◆不動産仲介実務

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

本日のコラムテーマは
不動産仲介実務〜媒介の嗅覚〜
です。

先日アップした不動産仲介実務のドキュメントが結構人気ですww
↓タップ
【コラム】不動産仲介実務~看板と免許番号だけでは信用できません~

そこで調子に乗って今回もドキュメントタッチの内容をお送りします。
今回取り上げるテーマは私たち不動産仲介業者のもっとも大切な
“仕入れ=媒介”
に関する内容です。

媒介契約は我々仲介屋にとって最も大切で最も重要な業務の一つです。

 

今回は不動産業界にいる人にとってはなんてことのない日常を切り取ります。
今から不動産屋さんになりたいという方にはいい勉強になるかもしれません。。。
あくまでも「かも」ですよw

では媒介を嗅ぎつけてゲットする日常の様子をご覧ください。

 

◆反響の電話

 

初夏の晴れた昼下がり
一本の問い合わせ電話が鳴った。

「あの〜山田と言いますが、御社が出している物件の詳細を聞きたいんですが・・・」

「はい!どちらの物件ですか?」

「八重瀬町の新築物件で完成が2月のやつです」

1日前に出したばかりの物件。
完成は3か月後だから問い合わせは先だと思っていたけどな・・・

「近くに完成したものがあるので、そちらをご案内できますよ!ご希望の日程とかありますか?」

「はい、でも今マンションに住んでいて、それを売り出していて、、、それを売らないといけないって言われていて、、、、買い替え物件も気になってて、、、子供の学区もあってエリアも限定されているし・・・」

 

今売っている?買い替え?
山田さんは早口で息継ぎ無しで連続で喋るから状況の掌握がムズイwww

 

「買い替え希望ですか〜。新しい物件の融資を受けるには確かに今の残債を全額返す、もしくは山田さんが今売っている物件の売買契約を済ませて、その買い手さんの銀行融資が通るとこまで行かないと難しいかもしれませんね〜」

 

「銀行にも同じこと言われました。やっぱりそうですよね・・・この新築。場所もいいし決めたい気持ちはあるんですが、、、」

 

ん?これチャンスかも。
なんか入り込めそうな気がする。
なんか今の担当者とうまく言っていないかも・・・

 

「ちなみにどちらの業者さんで売り出していますか?」

「日光不動産さんです。」

 

ラッキー♪

老舗の業者さんだけど、ちゃんとした営業をしないことで有名だな。
多分、“あの”担当者に辟易しているんじゃないかな?
(実際に何度かその業者さんから媒介を切り替えてもらった経験があるし、その都度売主さんは“あの”担当者さんの不備を愚痴るし)

 

「お〜!地域密着の老舗さんですよね!よく知っています!(ちなみにここで同業者の悪口を言うのは素人ですw)新築の物件の詳細と買い替えの説明も兼ねて、一度今後の流れをご説明したいんですがいかがですか?」

 

「ありがとうございます。買い替えの流れとかもよくわからないのでぜひ家に来てもらって説明をしてくれませんか?今週末なら旦那も休みだし」

きた!売り物件も見れるし、旦那さんも一緒ならサイコーです♪

 

「ちなみに山田さんの物件って売り出してどのくらいの期間経っていますか?案内はありました?」

「そろそろ3ヶ月目くらいで、案内は2組くらいです」

3か月で2組。。。少ないな。高すぎるのかな?

「ありがとうございます!では週末の14時に伺います!よろしくお願いします!」

「はい。よろしくお願いします。何か必要なものってありますか?」

 

おお!媒介チャンス確率アップw

「では認印だけご用意ねがいます!」

「わかりました。よろしくお願いします」

 

 

◆物件の下調べから媒介まで

 

まず、売り出している物件をネットで検索。
お、見つけた、これかな?
値段は相場相応という感じだけどな・・・

ポチ。

あ~こりゃ反響出ないわw

 

外観写真は画素が荒くボロボロ、曇り空。
このエリアの物件は南向きで綺麗な外観だったよな、確か・・・
室内写真は2枚しかない、しかも一切片づけをしていない生活感丸出しの写真・・・

物件アピールの部分には
「お問い合わせください」
の文言のみ。。。

価格は普通に売れそうな価格だし、3ヶ月も売れない理由は多分売り出しの画像がひどいのと、担当者がやる気ないんだろうな・・・

色々とツッコミどころはあるけど、まずは会って話を聞かないと何も見えてこない。

担当者が“あの人”という確証もないし。。。

 

******面談当日******

ピンポーン♪

「は〜い。お待ちしてました。汚くてすみません」

「いえいえ、まず中を拝見させていただいていいですか?」

室内は子育て世帯ではあるものの綺麗に整理整頓されている。
しかも晴れてて日当たり最高。
バルコニーから見える眺望も抜群。

なんでこんなにアピールポイントがたくさんある物件をあんな売り方するかね?

ネットに出ている写真類はわざと全部の悪いところをピックした?ww

 

「山田さん。なんで3か月もかかっていると思います?」

「え?不動産売るのって半年とか一年はかかるんじゃないんですか?日光不動産さんはそう言ってましたよ。あと、値段が高いんですかね?毎回値引きの交渉が入ります。。。」

 

ほんとにありがたいです。日光不動産さん。
いつもやりやすくしてくれてありがとうございます。

 

「いや。値段は適正だと思います。これウチでやれば半年もかからずに売れますよ」

「え?でもなんか専属契約みたいなやつがありますよね?金城さんも一緒に売ってくれるってことですか?」

「いえ、まずは日光さんの媒介契約を解約してもらう必要があります。その後に弊社で同様の契約を結びます。そして写真とかを全部入れ替えて、全然違う物件のようにして売り出します。今まで探していた人が“またこの物件か。”ってならないように」

そこで旦那さんが割り込む。

「確かその契約は明後日で切れるはずです。“あの人”のやり方がなんか嫌だったので金城さんとこでお願いしてもいいですか?」

来た!やっぱり!タイミングもベストじゃんw
ありがとう“あの人”www

「もちろんです!せっかくいい天気なので今日で室内の写真とか外観も撮っていっていいですか?」

「え?こんなにすぐ動いてくれるんですか?ちなみに金城さんならいくらくらいまで値段下げれば売れると思いますか?」

「この状態なら値下げする必要はないと思いますよ」

「え?大丈夫ですか?」

「はい!信じてください!」

もちろん値段を叩いて安く預かって売ることは簡単。
だけど今回は画像を全部入れ替えて違う物件のように見せたいし、何よりも今の価格で十分に売れるし。
少し高く出して、値下げ交渉で今の価格に戻せばいいかな。という算段。
少し床と壁に傷があるから減額交渉は必須だろうし・・・

そのまま旦那さんと一緒に室内の家具を移動しながら撮影。
(居住中物件はできるだけ物がない状態で撮るのがベスト)

撮影後に媒介契約を結んで買い替えの説明。

買い替え物件を同時に進めると焦りが出てきて結局無理が生じることを説明。
そこでまずは売ることに専念しようということで合意。

 

うし!売り出し物件の問い合わせから媒介ゲット♪
あとはこの物件がスムーズに売れたら、売り出し物件の申し込みもらって。。。

そんなに上手くいくわけないかw
まずは売ることに専念しましょ♪

 

◆売り出し開始から買い替え

 

まずは預かった物件の売り出し前の準備。

向こうの媒介が切れるのは明後日。
それまでにできることを全部やっておこう。

3日後。日光さんの売り出し情報がネットから落ちたのを確認してから募集開始。

 

案内は住みながらという事情も考慮して、土日限定の予約制に。
———————-
いつでも案内できるようにしてしまうと山田さんの負担が大きくなるので、住みながらの時はこれがベター。
特に子育て世帯は子供が散らかしまくるので、案内を土日に絞ることで奥様の負担が減るという効果もあります。
———————-

 

すると早速問い合わせ。

「あの〜〇〇の物件を検討していて」

「はい!ご案内可能ですよ!ご案内の御希望日はいつになりますか?」

「今週末でお願いできますか?できればもう押さえたいんですが。。。」

 

お!いい感じ!

 

「はい!では優先してご案内できるように手配します。そのために融資が通るかの確認が必要なんですが、中を見ていただいてすぐに決めれるように銀行の事前審査に行ってもらってもいいですか?」

「融資審査は別の物件で通っています。念のため今日にでも融資担当者に相談してきます。写真を見た感じではもう申し込みしたいと思っています」

 

いいね〜♪いい感じの食いつきだ♪

 

この後、とんとん拍子で話は進みあっという間に買い付けをゲット。
この方のお話を聞くとこのエリアでずっと物件を探していたらしく。。。

だけどネットを見てても中を見たい物件がなかなか出てこなかったので、今回これを見つけてすぐに問い合わせをしたとのこと。

日光さんが出している時は問い合わせをする気も起きなかったとか・・・
というか同じ物件だと思わなかったらしいw

 

不動産ってやっぱり売り出しの画像って大事だな~。

床や壁の汚れが気になるからということで想定内の減額で契約。
何もかも予定通りw

この物件の売買契約を締結して、山田さんには当初問い合わせをもらった建築中の新築物件への申し込みを貰う。
買い替えもスムーズに進み、売ってすぐに新しい新居に引っ越しをすることもできた。

何もかもが順当な取引。

全ての取引を終えて、山田さんの一言。

「金城さんに問い合わせをしてからいきなり全部が動いた気がします。何もかもスピーディに動いてくれてありがとうございました」

というありがたいお言葉もいただきました。

よく言われる事でもありますが、ある意味“あの人”みたいに動きが遅い人とのレバレッジが効いてよりいい動きに見えるんだと思います。

これからも“あの人”の物件を狙っていこうかなwww

 

◆不動産仲介は担当者次第

 

今回のケースでは不動産仲介をする上で通常あるはずの難しいハードルがめちゃくちゃ低くなっていました。

日光不動産の“あの人”が手抜きをして売り出していて「売るのには時間がかかる」と暗示をかけていたこと。「値段を下げないと売れない」と何度も売主さんに刷り込んでいたこと。

また、昔ながらの不動産屋さんにありがちな“あの人”のように何もかも動きが遅いせいで生じる「不動産屋さんは何もしてくれないのが当たり前」という固定概念も植え付けてくれていました。w

 

そのおかげで
「不動産屋さんってこんなもん」
という印象を持たせてくれてて私の動きがめちゃくちゃ良く映ったようです。

 

今回は“あの人”がボロボロに地慣らしをしててくれて、さらに売り出し物件を適当に扱ってくれてたおかげで私が扱うことで見違えるような物件に変わりました。
(自画自賛じゃなくて本当に変わります)

 

不動産って担当者次第で売れ行きが変わる不思議な商品。
特に中古の不動産は唯一無二の売り物なので担当者や会社を変えると見違えることが多々あります。

今回のようにタイミングも後押しするケースもありますが、ご縁を引き寄せるような取引って担当者を変えたらグッと近づいたりします。

なんかスピリチュアルな感じですみません。でもこれは不動産屋あるあるだと思うんです。

確実に言えるのは
「ちゃんとやればちゃんと売れる」
ということ。

逆にちゃんとやらない人が多い業界なので、
ちゃんとやるだけでも差別化できる業界
でもあります。

おかげさまで弊社は今日もたくさんのご紹介をいただけています。

不動産の買い替えでお悩みの方。
不動産の売り出しでなかなか担当者さんと折り合いがつかない方。
ぜひ一度弊社にお問い合わせしてみてください。
不動産って難しいけど、頼りになる担当者を見つけたら安心して取引できますよw

今回のお話は不動産屋さんの媒介ゲットの一例をご紹介しました。
こんな感じで常日頃から媒介物件の奪い合いが繰り広げられています。

今回のお話もフィクションだったかもしれません。

では〜

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不動産の価格を徹底的に調査するために弊社では不動産の売れ行きを毎日収集しています。
不動産売買市況速報
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この記事を書いた人

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お孫さんの代までお付き合いできる不動産屋さんとして「紹介率No1」を目指します。
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