不動産業界の
古い「枠」を取り壊して、
新しい「門」となる。
It will be a new "gate" by demolishing the old "frame" of the real estate industry.

BLOG
6月27日
2020
不動産価格の二極化について考えてみました

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

 

本日のコラムテーマ
不動産価格の二極化について~生き残る不動産は?~
です。

 

本日もコロナから連想する形でのコラムとなります。
世界中が混沌としてきて先行きが見えない状態ですが、不動産の現場は大きな変化の真っ最中という感じです。

 

日々ご依頼をいただいた不動産の査定業務をしながら売買市場の動向に注視しているので
私なりに「コロナの影響と不動産の価格」について考えてみました。

いつものように偏見と思い込みが多分に盛り込まれます(笑)
気になる点などがあればご指摘ください!

 

◆不動産の価格って?コロナの影響はある?

 

 

まず、今回は不動産の価格について考えてみることにしました。
何度か申し上げていますが「査定価格」は誰でも出すことができるし、営業マンの恣意的な考えに価格が引きずられてしまう傾向にあります。
このコラムを毎回読んでもらっている希少なファンの方には、きちんと不動産の価値を見出そうとする業者は少ないという事はご理解いただいていると思います。

 

初めて読み始めた方はコチラも参考にしてください↓
【コラム】不動産査定はどうやっている?
【コラム】不動産の価値~担当は非常に重要です~
【コラム】不動産査定をしまくった結果見えてきたこと~弊社は不動産屋さん辞めます!~

過去の記事を見ていただけたら不動産屋さんの「査定」は非常に信ぴょう性が低い事がわかると思いますw

 

一括査定のサービスが普及したことにより媒介を取りたいがための「高額の査定価格」を提示する業者が後を絶ちません。

「周りの人はあんなに高く売り出している。だからあんたもやってよ」
という売主の声を正そうともせずに
「じゃあやってみましょう」
と売れない価格で売り出す業者も増えて来ている悪循環、、、

必然的に高預かりの売れ残り物件ばかりがネットに散乱する始末。

「ラッキーで高く売れたらいい」という意見も分からなくはないんですが、
業者さんはプライドを持って
「これじゃ売れないから広告も出しません」
ってピシっと売主さんに忠告してほしいものです。

高預かりの売れ残り物件が散乱することで適正な市場構造が崩れてきています。
業界全体で取り組まないと改善されないのかな~と危惧していましたが、
コロナのおかげ?で高く出すだけの物件に逆風が吹いてきて
しっかりとした価格で売り出さないとまったく意味がない時代が一気に近づいてきた気がしてホッとしている自分がいます。(笑)

コロナの不況が差し迫ってきたことで融資の締め付けが起き、浮かれた買い手さんが一気に吹き飛んでしまいました。
買い手が居なくなってしまったので売れ残り物件がますます売れない時代に突入した気がします。

このように状況が大きく変化したので改めて不動産の価格査定に対して見つめなおし、
「不動産の価格」について考えてみたときに、相対的な見方と絶対的な見方があることに気が付きました。

そこで今回の内容では以下のように定義して話を進めていきます。

「査定」は業者が媒介を取る手段として操作するもの
「価格」は客観的に見て納得できるもの

今の段階ではよくわからないと思いますが読み進めていけば何となく私が言いたいことが掴めると思います(笑)
少し乱暴な解釈ですがお付き合いください^^

 

◆立地が大切?なぜ?

 

まず不動産の価格を左右するうえで大きな条件があります。
これは世界中のどの不動産を見ても相関的に反映されるものです。

それは「立地」です。

一般的な住宅を建てるにしても、商業施設を建てるにしても絶対に立地条件を無視して建てる人はいません。

那覇市松山の商業地で国道58号線沿いの土地と八重瀬町大頓の国道507号線沿いの土地で比べてみたら
同じ国道沿いでも100倍以上の価格の差が生じる場合があります。

価格の差が生じる理由は明確です。
国道沿いの土地の場合、それを求める人は以下の点を考慮します。

・人の往来が多いか
・商業用途で利用できるか
・建物の用途制限は緩和されているか

簡単にまとめると「そこに需要があるか?」です。
需要があれば価格が高くなりますし、需要が無ければ価格は下がります。

 

例えば同じ国道沿いだからと言って松山に建てられているようなビルを八重瀬に建てたとして、
同じようなビルでもテナントが入る確率(入居率)と賃料の設定などを考えたときにどちらが優位かというのは明確ですよね?
商業ビルを建てる目的は「賃料を収受する事」なので、より高い賃料と入居率が求められるのは当然の流れです。

商業ビルでなく住宅でも同じことが言えます。
那覇市内のモノレール駅やコンビニ・スーパーに近い物件と
スーパーやコンビニも車で10分以上移動しないといけない八重瀬町大頓の土地だとどちらがより多くの需要を満たせるでしょうか?

「ド田舎暮らしに憧れている方の需要もあるじゃないか!」
という声も聞こえてきますが、ちゃんと読んでください。
どっちが需要が高いか?という視点が大事なんです。

1000人に一人の需要を見つけないと成約しない空き家と10人に一人は入居する可能性が高い空き家。
どちらを所有していれば有利かはわかりますよね。

言うまでもなく借り手が多い方が断然有利。
また、要らなくなったときに売却して現金に替えることが容易な立地の方が資産価値も高まるんです。

要するに不動産は需要が高ければ高いほど高額で取引できるという事です。

当たり前のことしか言っていませんねw

 

◆収益還元が大事?

 

需要が高いという事は賃料設定を強くしても入居者が入ります。
逆に需要がないところでは賃料を下げて入居者を募るしかありません。

需要があるという事が不動産の価格を左右する大きな要因だという事がお分かりいただけたと思います。
冒頭で提示した「客観的な不動産価格」はまさに需要が左右すると言えるのではないでしょうか?

不動産の価値=売れる価格=資産価値
という考え方から導くと

需要が高い=賃料も高い=物件の価格も上がる

という条件で考えたときに誰もが納得する「不動産価格」が示せるのではないかと考えます。

結局お金を生むかどうかが不動産の資産価値を左右するので
収益還元法という不動産の鑑定手法が一番信頼できるのか?という事にもなります。
不動産の価値の求め方は数多ありますが収益還元法は世界共通の認識を持つともいわれていますし。。。
※収益還元法についてはググって調べてね。

 

また、単純な収益(家賃)のみで考えず不動産が生み出す賃料と将来売却・・・面倒なのでIRRで調べてください。

 

世界中の不動産は個人・自治体・国や行政など誰かの所有となっています。
その所有者が自己利用(居住)しない不動産を活用して資産性を求めるには「貸す」か「売る」以外に方法はありません。

つまり借りたいという需要があることで収益を得ることができる不動産の価値が上がるという事がお分かりいただけたと思います。
これを基に考えた価格設定であれば相対的にも客観的にみても
「納得させられる価格」=「売れる価格」になるのではないでしょうか?
不動産によって細かい諸条件が折り重なるのでなかなか具現化できていないんですが・・・

さて、ここでもう一度考えていただきたいんです。

冒頭に申し上げた
「売れるかもしれないからこの価格で売ってみてよ」
という無茶ぶりをされた不動産。。。

那覇新都心や松山、久茂地とかならありとあらゆる需要が渦巻いているので
チャレンジしてみましょうか?という価格設定でも売れる可能性はあります。

でも、田舎の物件や近隣住民しか欲しがらないような住宅地といった需要が限られた物件
「売れるかもしれない。売れたらラッキー」な価格で売り出すことに意味はありますか?
というか売主さん、あなたならその物件をその価格で買いますか?
ほとんどの方はNOと答えますよね。。。

 

高く売り出す事で可能性を追求したい気持ちは分かりますが、
売れない価格で売り出しても誰も見向きもしません。
「いつかは売れる」というのは一定の需要がある地域で「そこそこ適正な価格」の物件だけです。

あなたの不動産が長期間費やしても売れないのは業者のせいでもなんでもなく
「価格が高すぎる」からなんです。
厳しい言い方になりますが
「売る気が無いなら売り出しをやめてほしい」
というのがちゃんとした不動産屋の本音です。

なんだか高預かりの物件に対する不満が溢れてきたのでこの辺にしときます(笑)

 

◆二極化は避けられない

 

ここまでの内容を踏まえて改めて
「コロナの影響と不動産の価格」についての結論です。

コロナの影響によって市場が変わりました。
融資も厳しくなってしまいラッキーで高い価格で売れる時代は終わりました。
これからは「需要がある立地」の不動産と「適正な売り出し価格」の不動産だけが売れる時代になると思います。

沖縄県内の投資物件の融資はほぼ止まりました。
その流れを受けてこの5年間の浮かれた不動産市場に流されて
需要を見極めずに建ててしまった不動産の価格が真っ先に下落を始めています。

厳しめの立地で建てられた民泊やホテルなどのインバウンドを狙った物件がどんどん売られています。
需要の薄いエリアで建てすぎた木造住宅も軒並み売れ残っています。

今までの
「多少高いけど仕方ない」
「他にないし買っちゃうか」
という曖昧な理由で売れる時代が終わったんです。

今後の不動産の価値は今までよりもシビアに「需要」が左右することは間違いなさそうです。
不動産の価値は今後「需要の有無」が起点となり二極化する方向で加速していきます。

世界に一つしかないモノの価値を決めるのは難しいのですが、
明確な物差しとして「需要が多いのか」を考えてから不動産を見てみるといいかもしれません。

需要が無い土地の不動産を所有している方は
「じゃあうちの物件は高く売れないじゃないか!」
ってお怒りになるかもしれませんがその通りです。
だって昔から周辺一帯も安かったでしょ?
繰り返しますが「ラッキーで高く売れる」時代は終わったんです。

それでも工夫次第では市場相場よりも少し高く売ることは可能です。
草刈りやメンテナンスなど少しの手入れで見違える物件もたくさんあります。
あなたの物件をしっかりとみている業者であれば適当な査定をするはずがありません。

予想よりも安く査定されてしまっても「需要」を考えたら納得できると思います。

私のもとに来る査定依頼の中では
「安いから話にならない」
「他社の方が高く設定してくれる」
というお言葉をいただいてプンプンして帰られるお客様もいらっしゃいます。

でも「売れない価格で売り出す」のは不動産査定のプロとして許すことができないんです。

 

ちゃんと売却したいのであれば膝を突き合わせて売れるまでとことん付き合います!
でも浮かれた価格設定はしないので悪しからず。。。

う~ん、不動産の価値って難しいですね(笑)

では~

 
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この記事を書いた人

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