不動産業界の
古い「枠」を取り壊して、
新しい「門」となる。
It will be a new "gate" by demolishing the old "frame" of the real estate industry.

BLOG
11月30日
2022
不動産屋の商品をはき違えている

◆不動産とITって水と油?

 

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

 

先日noteで公開したIT営業マンと私のやりとりが好評でしたw
その上で不動産の同業者さん達の多くがテック企業のやり方に疑問を持っているし、あまり快く思っていないということがわかったんです。
(というか昔から分かっていたのを再確認したという感じ)

そのnote記事が気になる人はこちらをタップしてください。
読んでも読まなくてもあまり本編とは関係ありません。
↓タップ
だからテックは嫌いなんだな・・・

さて、noteコラムは少しおふざけが入りますがHPのコラムは真面目を通します!

なので今回の現象をもう少し俯瞰的に見てみて、不動産とITの相性について考えてみようと思いました。

IT関連や不動産テックの企業さんや、これから不動産テックの導入をお考えの企業さんには少しだけ役に立つ可能性があるはず。。。

私を知っている同業さんは
「お前また不思議な思考持っているな」
というくらいの感想かも。

ちょっとややこしくてうまくまとめられるか自信が無いので
お暇な人と興味がある人だけお読みください。

ではど〜ぞ〜

 

◆不動産テックって?

 

ここ数年間でよく聞くようになった「不動産テック」。

さて、不動産テックってそもそもなんなのか?

 

テック企業が得意とする技術の中にAIとマッチングがあります。
ビッグデータを収集して適宜顧客に合った条件をピックアップする感じのアレです。

分かりやすい一例としてアマゾンとかで気になる物を見たらずっと携帯に広告が出てくるようなやつですね。

これを応用して膨大な不動産の情報を一手に収集して顧客へのマッチングを促して業界改編や~

って感じのテック業者が多く出てきました。

 

この人たちの考えを紐解くと

顧客はネットで不動産を探すことが当たり前になって、ポータルサイトで集客をすることが主流になってきた。

あと不動産屋の対応が悪すぎるから評判の悪い業界だし、いっそ不動産屋を排除できたら顧客の望み通りじゃん?

ならば「探す人」と「不動産=商品」のマッチングができれば不動産屋の仕事の大半は消えるんじゃん?

そうすれば不動産屋に高い手数料払う必要も無くなるじゃん?

 

という不動産という商品の本質を履き違えたテック屋さんの考えが根底にある感じです。

 

この不動産テックを提供するテック屋さんの中でも

「ITを使って不動産屋さんの集客や日常業務を支援しますよ〜系」
の業務支援型はまだいいんです。

 

「このテックで不動産業者を淘汰じゃいボケ!系」
業界変えたろかい型がいろいろと問題を起こしがちですよね。

なまじっか不動産業社さんが固定電話とFAXしか使えなかったりエクセルとワードが使えれば一人前みたいになってるもんだから

「こんな猿以下の奴らはちょこっと難しいこと言えばすぐに黙るやろ」

と安易に考えているきらいがあります。
盛大に散っていったOYOがその代表例かもしれません。

 

古い業界はダメ。スピードで変化していかないとダメ。
この考え方の基礎となるIT業界の常識としては

・流行りの流れに乗らないと置いていかれる。
・流行りを先読みすれば先行者利益を確保できる。
・先行者利益は莫大で一気に大勝ちできる

というセオリーがあるので流行りに乗っていくのが当たり前の世界なんです。

確かにITやAIを駆使して新しいイノベーションの先駆けになれば次代のアマゾンやFacebookになれるかもしれません。

そのために我先にと古い不動産屋さんを淘汰して全てテックで呑み込んでしまおう!
という競争が発生したんだと思います。

でも、なかなか不動産業界とテックの溝が埋まらない。
というかテックが浸透しない。

これが現状ですね。

 

◆不動産屋が扱う商品の本質

 

 

テック屋さんの頭の中にあるのが

「古い業界やしきたり、古臭い業務はダメ」
「古い業務はテックでちょちょいのちょいじゃ!」

と決めつけているということ。

 

んでもって不動産業界は古い業界の筆頭ですし、市場規模は40兆円くらい。
テック屋さんからしたらよだれが止まらないくらいの格好の餌食に見えた事でしょう。
なので
「古い習慣が残っているし、いまだに紙媒体が主流の業界なんてテックですぐに変えられる」
というような考えに直結したんだと思います。

 

クックパッドで美味しい料理が誰でも作れるようになったみたいに、インターネットの普及でありとあらゆる情報が世界中で共有されるようになってから、ほとんどの商品のクオリティは均一化されました。
商品が均一化されたので欲しいものはアマゾンでポチれるし、いらないものはメルカリで売れるし、、、、
見たい映画はNetflixやAmazonプライムでいつでも見られるようになりました。。。

アマゾンは百貨店やスーパーという仲介者を淘汰しましたし、
メルカリだとリサイクルショップという仲介者が脅威にさらされています。
NetflixやamazonプライムはCD屋さんを一蹴しました。
このように一昔前まで間に入っていた仲介業者がどんどん淘汰されているんですね。

この理屈で
「不動産屋という仲介も一気に無人化してしまおうぜ〜」
という輩がお金と横文字を引っ提げて不動産業界に殴り込みしてきたというわけですね。。。

でも、いままで改革できた(仲介が消えた)業界で彼らが売っているのは大量生産ができて、個人間売買が可能だったりする商品がメイン。
商品を生産して、完成品を買ってもらうという世界です。

 

ネットの普及で完成品を直接顧客が買う事ができるようになったので卸業者や販売店とかの中間マージンをカットする事が出来た。
流通も促進されたし、マージンが無い分コストカットもできて、生産者と消費者の双方にとってウィンウィンになれました。

その考えが「不動産の仲介(中間業者)も自動化でカット」という考えに行きついたんだと思います。

 

ここでそもそもの
「不動産業界が扱う商品って不動産じゃない」
という大きな要素を見落としているんですね。

不動産って完成品(物件)を売ったり貸したりしているように見えますが、
本質は関係当事者の感情を行き来させる仕事で、それらをまとめるのが仕事なんです。

 

売る人、買う人の感情やその人たちの家族や親戚の意見の食い違い。
学区や駅の近さ、利便性、駐車場の台数や間取りなど。。。欲しいけどこの条件だとな~って悩みます。
人それぞれに欲しい需要が異なるし、物件も二つとして同じものは存在しない世界です。

賃貸でも家賃や条件で顧客は変わるし、近隣に住む人が頭がおかしくなることもままあるし、勝手に人の駐車場に車を止める人もいる。
病気で寝込む人もいるし、孤独死する人もいる。家賃を滞納して逃げる人もいるし、ガイドラインだ!って大声で叫んで原状回復を逃れようとする人もいる。
これらの問題も全て不動産屋が間に立って解決のために働きます。

 

ここで上げたらきりがないくらいの様々な条件や感情が蠢いているのが不動産です。
これを「簡単にテックで一発解決!仲介は不要!」ってやる事が難しいんですね。

AIやITではまだまだ解決できない人の感情を生で取り扱うのが不動産屋なんです

ここまでで単純な完成品を売り買いするのと不動産は商品の根本が違う事を少しは理解いただけましたか?

 

◆不動産屋の商品は不動産屋

 

不動産屋さんは毎日暇でネットサーフィンやTwitterだけをしてのうのうと生活しているわけじゃないんです。
(そういうおじ様おば様も一定数いますが・・・)

 

不動産屋は物件を売り買いしたり貸し借りしているというよりも、人と人を繋いで手数料を頂いているので、
不動産屋のメイン商品って「不動産屋」なんですね。
※不動産(物件)ではなく不動産です。

 

担当営業がへっぽこだったり、ろくでもない場合はお客様も離れてそいつを通して契約する事はありません。
基本的にどのお客様も担当営業の良し悪しで不動産の契約を決断します。

実際に優秀な営業マンはどこの会社に行ってもお客様が付いていくし、
評判のいい営業マンが抜けたせいで潰れる不動産屋もたくさんいます。

 

ここまでで
「不動産屋の商品=不動産屋」
という事が分かってもらえたかと思います。

 

長い前置きになりましたが、ここで一つの答えが見えてきました。

『テック屋さんは不動産屋を排除して不動産のマッチングとかで業界を乗っ取ろうとしたけど、商品である「不動産屋」を排除してしまおうとするから上手くいかない。』

という事じゃないかな~という答えに行きつきました。

あと、業界変えたろかい系の方々のオラオラな態度が目立つのでなかなか不動産業者が聞く耳持たないという現状も問題ですよね。
HP作ります系のテックでもない人たちがテックを名乗って強引に不動産屋に営業するから嫌な印象が先行するんだとも思います。
〇らぶとか・・・

 

 

◆不動産屋として思う事

 

 

結局今回は何が言いたいのかというと

不動産屋を排除して不動産を扱うのは“まだ今のところは無理”だと思いますし、(※将来は分かりません)
テック企業はもう少し不動産業務を精査してから乗り込んできた方がいいよ。

という事ですね。

「そんな事いってもたもたしていたら流行りに乗り遅れるじゃん!」
ていうテック屋さん。
落ち着いてください。

流行っていたタピオカ屋さん。消えましたよね?
その前はポップコーン屋さんでしたっけ?韓流のチーズ屋さんもありましたね。
フルーツサンドとか”なんちゃらトッツォ”みたいなのもありました。

これらの流行り系は先行者利益を取りやすいですが、不動産って流行り廃りがある業界じゃないんですよ。
焦らなくても不動産業界は流行りと共に消えませんし、不動産も無くなりません。

昔からやっている古い業者さんは地域の人との関係性を作って、たくさんの地主さんやオーナーさんとの信頼関係を構築しています。
彼らはエクセルも使えなくても黒電話とFAXで仕事ができているんです(多分)。

 

パッと見では
「こんな化石みたいなやつらはすぐにテックでボンとしたらパンや!」
みたいな感覚で捉えがちですが、
この脈々と受け継がれてきて構築された業界はテックでポンとは行きません。

先行者利益を取りに行く業界では無いし、流行りを追う業界でもない。

生き残る不動産屋は着々と信頼を構築して
「不動産を商品としている人たち」です。

不動産業界を変えるようなテックを開発したければ、もう少し不動産屋に寄り添った方がいいかもね。
というお話でした。

なんだか文章はまとめきれたと思いませんが私の頭の中は整理できたのでここで終わりますwww

では〜

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

お時間があればこちらのnoteも読んでみてください

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だからテックは嫌いなんだな・・・

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この記事を書いた人

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