不動産業界の
古い「枠」を取り壊して、
新しい「門」となる。
It will be a new "gate" by demolishing the old "frame" of the real estate industry.

BLOG
5月27日
2020
不動産の市場崩壊は起きないかも?

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

 

本日のコラムテーマ
不動産の市場崩壊は起きないかも?
です。

 

最近までコロナコロナと騒ぎたて
価格下落が始まったと不安を煽り、、、
バブルが崩壊した!と叫び続けていますが、、、

 

 

不動産の価格を推測するのは多方面からの検討と検証が必要です。
また、価格相場の下落や上昇の判断は一定期間の経過観察が必要なので今すぐ下がった!と言えるものでもありません。。。
ただ下がり始めている物件が目の前にあるという事実はあります。

最近このコラムを読んでいただけた方から
「もう沖縄の不動産やばいっすね!」
と言われたので、
不安ばかり煽ってしまったことを反省しております・・・

 

今回は物件別に現段階で見えている事象を基に、私の考える不動産価格の方向性を書いてみようと思います。。。

いつものごとく私の個人的な見解なので参考程度にお読みください。
今回は予測というより現況報告に近いかも・・・

 

※約6分で読める内容です。

 

◆住宅用不動産の価格推移について

 

住宅用の不動産は実需(じつじゅ)不動産という呼ばれ方もします。
実際に使う需要という事で貸して収益を得る不動産と違って、住むための不動産のことで戸建てやマンションの事を指しますね。

 

まず、沖縄の実需不動産の現況についてまとめるとこんな感じ。

去年まで
・ここ数年間土地の地価が上がった
・建売の木造と新築マンションが増えた
・新築住宅がどんどん値上がりした
・中古住宅の取引価格も上がった

コロナ後
・土地の買い取り業者が買取を減らしている≒買取を停止した
・ホテルやマンションの建設予定地も売却に動く案件が出てきた
・一般の住宅用地は二極化した※那覇を中心に高止まり、東海岸は売れなくなった
・新築木造と新築マンションが売り出し価格を下げている(200~500万円程度)
・中古の住宅に関しては
「適正な価格でちゃんと売り出したら成約している」が、、、
「高く売り出している物件は売れ残りが目立つ」という状況。

 

価格崩壊とかバブルが終わったとか散々書いてきましたが、
新築にしろ中古にしろ高く買う需要がストップしたので下落傾向に見えるという感じです。
適正な査定と売り出しをしている物件は相変わらず早期に成約しています。

ここ数年間の沖縄の実需不動産の動きをまとめると

 

沖縄移住や観光需要が伸びている

木造建売用地やマンション用地になる土地がすぐに買い取ってもらえる

業者が土地を高く買うので地価が高騰

業者の買取に見合わない高い土地だけが市場に出る

土地単価が上がるので新築分譲価格が高騰

新築が高くなると中古も高くなる

★コロナで自粛モード

土地の仕入れをストップ

新築は軒並み値下げして在庫処分

新築が値下げをはじめ中古住宅の割高感が出てきた

現在

こんな感じです。
新築と土地の取引に急ブレーキがかかったので
「買った時よりも高い価格設定」や
「とりあえずこの価格で売れたらラッキー」
といった中古住宅が取り残された感が否めません。。。

実需不動産に関しては
・新築が値段崩壊
・中古は高い物件が取り残された

という様相になっています。

 

◆投資用不動産の価格推移について

 

お次は投資用不動産。
沖縄には投資用の不動産が数多く存在します。
軍用地、外人住宅投資、一棟アパート、区分マンション、商業ビル、テナント物件、民泊。。。

投資用不動産も先ほど述べた実需と同じくコロナの影響を大きく受けました。
一番大きな要因は二つ
「観光需要を狙った物件が収益を出せなくなった」
「各金融機関が投資用不動産への融資を引き締め始めた」
という事が挙げられます。

ぽろぽろと投資用不動産の売り情報が増えてきたという感じがしますが
今が買い時か?というとなんだかそんな感じもしません。

私の考えを交えながらに投資用不動産の現況をおさらい

・観光業の盛り上がりと比例して投資用不動産が注目された

・観光客数が伸び続け民泊などの宿泊事業に手を出す人が増えた

・宿泊事業をコンサルして建築を促す業者が活況

・少し不便な土地でも宿泊用物件を建て始めた

★コロナで観光が大打撃

・宿泊者が激減

・ローンと収益がデッドクロス

・先行きが見通せず売却検討

現在

少し民泊物件に偏りましたが宿泊事業の悪化が顕著でした。
現在進行形で悪化が進んでいますので今後もかなり不安ですね。

ただ軍用地や外人住宅、一棟アパートなどはまだ大きな影響を受けていないように感じます。
この辺りは実需でもそうですが今後の経済悪化やリストラ、倒産などがキーになると思います。

アパートメントホテルや民泊物件のような短期宿泊事業の物件が軒並み収支が悪化している模様。

この宿泊事業に手を出した人のほとんどが投資初心者というのも特徴的です。
観光業が盛り上がり毎年のようにインバウンド特需が伸びていたので誰が手を出しても儲かるような市場でした。

そもそも不動産投資って
「投資ではなく事業」ですよ。
不労所得ではありません。

参入障壁が高いから不動産投資家は安定するんです。

 

素人が簡単に事業を立ち上げて成功する確率は低いですよね?
タピオカ専門店などもどんどん撤退しているみたいですが、私の目からはここ数年民泊事業に手を出し始めた人もタピオカ屋さんも同じように見えます。。。

大雑把にまとめると
もともと不動産投資をしていて市場や相場を見ていた人は民泊などにに手を出した人が少ない。

周りの雰囲気に流されて自分で分析をせずに不動産屋や建築屋、金融機関にお勧めされて手を出した人が青い顔をしている。。。
といった印象ですね。

私の知り合いの中には
「民泊は利回りはよく見えるけど継続性が見えない」
「法整備もまだ追い付いていないから手を出すのは早すぎる」
といって好条件の物件にも手を出さなかった人がいます。
投資家(事業家)の勘とでもいうんでしょうか。。。流石の一言です・・・

 

◆同業他社の生の声

 

さて、ここで同業他社の方とよく話す最近の市況の印象をご紹介します。

・不動産賃貸業者社長
コロナのせいで引っ越しの数が減った(引っ越しを見送る人が増えた)ので仲介手数料は減った。けど賃料収入自体は大きな変化はない。
家賃の減額や滞納とかも今のところない。

・不動産売買仲介
高預かり物件は取り残されたけど、市場が大きく荒れた感じはない。一定の売り上げがキープできた。
4月は新規の査定が自粛のせいか減ったので5月以降の物件仕入れの見込みが弱くなってきた。

・不動産売買フランチャイズ大手の店長
海外(中国)の顧客は減ったし、移住物件の売り上げは落ちた。実際に実需の需要はそこまで下がっていない。
査定依頼は減り、高めの価格を希望する顧客には厳しい市場になったと忠告している。

・投資用1Rマンションの売買業者部長
金融機関の融資が軒並みストップしたせいで仕入れも販売も苦戦している。今後もしばらく苦境が続くかも・・・
これ以上悪化する前に売りたいというニーズもあるので値段を買いたたきやすくなった。

・アパート建築営業課長
アパートの融資が厳しくなったので成約が落ち込んだ。那覇とか浦添とか立地がいい場所と自己資金を多めに持っている人以外は難しくなった。

・買取再販業者社長
再販する時の市場価格が去年までのような上昇相場じゃないのでマンションも戸建ても買い取り査定が下がっている。
リフォーム再販事業も苦戦中。

・レンタルオフィス運営社長
オフィス縮小の傾向とzoom会議の影響が出てきた。撤退する事業者も出てきたし会議室も要らなくなってきた。
でもテレワークで集中して仕事をしたい人の需要が伸びている。

2か月以内に私が取引を行った際に交わした内容の抜粋です。

一つ面白い見方をする人がいたので参考までに
「助成金や補助金がジャブジャブ溢れてきているし、この事態が短期間で収束したら溢れたキャッシュがまた不動産に逆流するかもね」
とのこと。。。
確かに一理ありますがどうなるかは全く読めませんね。

 

◆まとめ

 

コロナの感染者も減り続けていて緊急事態宣言も解除され始めてきました。
第二波や第三波がどのタイミングで来るのか予想できませんので予断を許さない状況は続きますが、
一旦落ち着きを取り戻しつつあるのかな?といった感じですね。

不謹慎だと思われるかもしれませんが個人的には沖縄県内の不動産価格がずっと上昇してきた事に警戒感を覚えていたので
「改めて市場を見直すいい機会になった」というのが本音です。

バブル需要で高騰した相場に乗っていった新築分譲の業者さんと上昇相場で民泊に手を出した素人投資家さんが大損をしてしまった感が否めません。
価格だけが市場を無視して上がり続ける事態が終息したんだと考えます。

今回のテーマの価格崩壊について
価格下落は新築物件と民泊物件に集中していて実需は意外に冷静さを保っていた
という事が言えるのではないでしょうか?

まだ感染が落ち着き始めただけなので気を緩めることはできませんが、
一部の識者の見解では短期間のパニック相場だったかもしれない。リーマンの時よりもだいぶマシ。
という声も上がってきてます。

喉元過ぎればと言いますが今回のパニックはまだまだ終わったわけではありません。
今からじわじわと多方面に影響が出てくるかもしれません。

簡単にまとめると
「一過性のパニックに見えるけど、終わったわけでは無いので要注意」
「価格下落は今のところ限定的で二極化している」
といった印象ですね。
私はもうしばらく市場の動きに注意しながら慎重になろうと思います。

今後も沖縄県の不動産の価格動向については書き記していきますのでお付き合いください。

では~

—————————————-
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この記事を書いた人

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