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Column

コラム

◆不動産仲介実務

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

本日のコラムテーマは
不動産仲介実務~媒介の嗅覚~
です。


先日アップした不動産仲介実務のドキュメントが結構人気ですww
↓タップ
【コラム】不動産仲介実務~看板と免許番号だけでは信用できません~

そこで調子に乗って今回もドキュメントタッチの内容をお送りします。
今回取り上げるテーマは私たち不動産仲介業者のもっとも大切な
“仕入れ=媒介”
に関する内容です。


媒介契約は我々仲介屋にとって最も大切で最も重要な業務の一つです。


そのため手練手管の猛者たちが毎日のように媒介を奪い合って凌ぎを削っています。

今回は不動産業界にいる人にとってはなんてことのない日常を切り取ります。
今から不動産屋さんになりたいという方にはいい勉強になるかもしれません。。。
あくまでも「かも」ですよw

では媒介を嗅ぎつけてゲットする日常の様子をご覧ください。
登場する人物や企業などはすべて架空のものかもしれません。

※約10分で読めると思います。

◆反響の電話

初夏の晴れた昼下がり
一本の問い合わせ電話が鳴った。

「あの~山田と言いますが、御社が出している物件の詳細を聞きたいんですが・・・」

「はい!どちらの物件ですか?」

「〇〇の新築物件で完成が△△のやつです」

1日前に出したばかりの物件。
まだまだ完成の形が見えないから問い合わせは先だと思っていたけどな・・・

「今基礎工事中で近くに別の物件ですが完成したものがあるので、そちらをご案内できますよ!ご希望の日程とかありますか?」

「はい、でも今マンションに住んでいて、それを売り出しているんです。それを売らないといけないって言われていて、それでも買い替え物件も気になってて、、、子供の学区もあってエリアも限定されているし・・・」


今売っている?買い替えか。
なんで売っている担当者に買いもお願いしないのかな?
ま、もう少し聞いてみようか。


「買い替え希望ですか~。確かに今の残債を返す、もしくは今売っている物件の売買契約を済ませて、その買い手さんの銀行融資が通るとこまで行かないと難しいかもしれませんね~」


物件の買い替え特約とかもあるけど、こっちの物件に買い付けを出してもらっても、そっちが売れないと共倒れみたいなのは避けないといけないしな。。。

「やっぱりそうですよね・・・場所もいいし決めたい気持ちはあるんですが、、、」


ん?これチャンスかも。
なんか入り込めそうな気がする。
なんか今の担当者とうまく言っていないかも・・・


「ちなみにどちらの業者さんで売り出していますか?」

「日光商事さんです。」


ビンゴ!老舗の業者さんだけど、ちゃんとした営業をしないことで有名だな。
多分、“あの”担当者に辟易しているんじゃないかな?
(実際に何度かその業者さんから媒介を切り替えてもらった経験があるし、その都度売主さんは“あの”担当者さんの不備を愚痴るし)

「お~!地域密着の老舗さんですよね!よく知っています!こちらの物件の詳細と買い替えの説明も兼ねて、一度今後の流れをご説明したいんですがいかがですか?」


ちなみにここで同業者の悪口を言うのは素人ですw
どんなに嫌な業者さんでも競合の悪口を言ってていいことは一つもありません。


「ちょうどよかった。買い替えの流れとかもよくわからないのでぜひ家に来てもらって説明をしてくれませんか?今週末なら旦那も休みだし」


きた!売り物件も見れるし、旦那さんも一緒なら色々聞けそうだ♪


「ちなみに売り出してどのくらいの期間経っていますか?案内はありました?」

「そろそろ3ヶ月目くらいで、案内は5組くらいです」

3か月で5組。。。少ないな。高すぎるのかな?

「ありがとうございます!では週末の○時に伺います!よろしくお願いします!」

「はい。よろしくお願いします。何か必要なものってありますか?」

おお!媒介チャンス確率アップw

「では認印だけご用意ねがいます!」

「わかりました。よろしくお願いします」


ガチャ。

◆物件の下調べから媒介まで

まず、売り出している物件をネットで検索。
お、見つけた、これかな?
値段は相場相応という感じだけどな・・・

ポチ。
物件の詳細を見ると愕然とする売り出し方でした。


外観は画素が荒く、曇り空。物件の印象を古臭く見せている。。。
この物件南向きで綺麗な外観だったよな、確か・・・
室内写真は2枚しかない、
しかも雑然としていて生活感丸出しの写真・・・
間取り図は玄関を入ってすぐに壁で塞がれた開かずの要塞状態・・・

物件アピールの部分には
「お問い合わせください」
の文言のみ。。。

価格は普通に売れそうな価格だし、3ヶ月も売れない理由は多分売り出しの画像がひどいのと、担当者がやる気ないんだろうな・・・

色々とツッコミどころはあるけど、まずは会って話を聞かないと何も見えてこないし、担当者が“あの人”という確証もないし。。。


******面談当日******


ピンポーン♪

「は~い。お待ちしてました。汚くてすみません」

「いえいえ、まず中を拝見させていただいていいですか?」


室内は子育て世帯さながらではあるものの綺麗に整理整頓されている。
しかも晴れてて日当たり最高。
バルコニーから見える眺望も抜群。

なんでこんなにアピールポイントがたくさんある物件をあんな売り方するかね?
ここで唐突に質問してみる。

「山田さん。なんで3か月もかかっていると思います?」

「え?不動産売るのって半年とか一年はかかるんじゃないんですか?日光商事さんはそう言ってましたよ。あと、値段が高いんですかね?毎回値引きの交渉が入ります。。。」

ほんとにありがたいです。日光商事さん。
いつもやりやすくしてくれてありがとうございます。

「いや。値段は適正だと思います。これウチでやれば半年もかからずに売れますよ」

「え?でもなんか専属契約みたいなやつがありますよね?金城さんも一緒に売ってくれるってことですか?」

「いえ、日光商事さんの媒介契約を解約してもらう必要があります。その後に弊社で同様の契約を結びます。そして写真とかを全部入れ替えて、全然違う物件のようにして売り出します。今まで探していた人が“またこの物件か。”ってならないように」


そこで旦那さんが
「確かその契約は明後日で切れるはず。“あの人”のやり方がなんか嫌だったので金城さんとこでお願いしてもいいですか?」

来た!やっぱり!タイミングもベストじゃんw
ありがとう“あの人”www

「もちろんです!せっかくいい天気なので今日室内の写真も撮っていっていいですか?」

「え?こんなにすぐ動いてくれるんですか?ちなみに金城さんならいくらくらいまで値段下げれば売れると思いますか?」

「値段は逆に少し上げてもいいと思います。この状態なら値下げする必要はないと思いますよ」

「逆にあげるんですか?大丈夫ですか?」

「はい!信じてください!」

もちろん安く預かることは簡単。
だけど今回は画像を全部入れ替えて違う物件のように見せたいし、何よりも今の価格で十分に売れるし。
高く出して、値下げ交渉で今の価格に戻せばいいかな。という算段。
少し床と壁に傷があるから減額交渉は必須だろうし・・・


そのまま旦那さんと一緒に室内の家具を移動しながら撮影。
(できるだけ物がない状態で撮るのがベスト)

撮影後に媒介契約を結んで(3日後の契約開始)買い替えの説明。

買い替え物件を同時に進めると焦りが出てきて結局無理が生じることを説明。
そこでまずは売ることに専念しようということで合意。


うし!売り出し物件の問い合わせから媒介ゲット♪
あとはこの物件がスムーズに売れたら、売り出し物件の申し込みもらって。。。

そんなに上手くいくわけないかw
まずは売ることに専念しましょ♪

◆売り出し開始から買い替え

まずは売り出し前の準備です。

室内写真の手直しや間取り図作成。
重要事項調査報告書の取得。。。

諸々の準備を終えていざ売り出し開始。

日光商事さんの売り出し情報がネットから落ちて3日後の売り出し開始。

案内は住みながらという事情も考慮して、土日限定の予約制にします。
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いつでも案内できるようにしてしまうと山田さんの負担が大きくなるので、住みながらの時はこれがベターかな。
特に子育て世帯は子供が散らかしまくるので、案内を土日に絞ることで奥様の負担が減るという効果もあります。
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すると早速問い合わせ。

「あの~〇〇のマンションを検討していて」

「はい!ご案内の御希望日はいつになりますか?」

「今週末でお願いできれば。できればもう押さえたいんですが。。。」

お!いい感じ!

「では優先してご案内できるように手配します。そのために融資が通るかの確認が必要なんですが、まずは中を見ていただいてすぐに決めれるように銀行の事前審査に行ってもらってもいいですか?」

「はい。では明日にでも行ってきます」

「もし先約が入りそうなら事前にご連絡差し上げますね。週末しかご案内できないので多分大丈夫だと思いますけど」

「はい。お願いします。写真を見た感じではもう申し込みしたいと思っています」

いいね~♪いい感じの食いつきだ♪


この後、とんとん拍子で話は進みあっという間に買い付けをいただきましたw
この方のお話を聞くとこのエリアでずっと物件を探していたらしく。。。

だけどネットを見てても中を見たい物件がなかなか出てこなかったので、今回これを見つけてすぐに問い合わせをしたとのこと。

日光商事さんが出している時はスルーしてたようです。
というかその時はクリックさえもしなかったらしいですw
不動産って値段も大事だけどやっぱり売り出しの画像って大事ですね。


床や壁の汚れが気になるからということで予定通りの減額で契約。
売り出しから問い合わせまでの期間は予想よりも早かったけど何もかも予定通りw

マンションの売買契約を締結して、山田さんには当初問い合わせをもらった建築中の新築物件への申し込みをいただきました。
買い替えもスムーズに進み、売ってすぐに新しい新居に引っ越しをすることもできました。

何もかもが順当な取引。

全ての取引を終えて、山田さんの一言。

「金城さんに問い合わせをしてからいきなり全部が動いた気がします。何もかもスピーディに動いてくれてありがとうございました」

というありがたいお言葉もいただきました。

いえいえ“あの人”のおかげですとは口が裂けても言えませんw
(ある意味動きが遅い人とのレバレッジが効いてよりいい動きに見えるんだと思いますw)

◆不動産仲介は担当者次第


今回のケースでは不動産仲介をする上で通常あるはずの難しいハードルがめちゃくちゃ低くなっていました。
日光商事の“あの人”が手抜きをして売り出していて
「売るのには時間がかかる」と暗示をかけていたこと。
「値段を下げないと売れない」と何度も売主さんに刷り込んでいたこと。

昔ながらの不動産屋さんにありがちな“あの人”のように何もかも動きが遅く、
「不動産屋さんは何もしてくれないのが当たり前」
という固定概念も植え付けてくれていました。w

そのおかげで
「不動産屋さんってこんなもん」
という印象を持たせてくれてて私の動きがめちゃくちゃ良く映ったようです。


今回は“あの人”が地慣らしをしててくれて、
さらに売り出し物件を適当に扱ってくれてたおかげで
私が扱うことで見違えるような物件に変わりました。
(自画自賛じゃなくて本当に変わります)


不動産って担当者次第で売れ行きが変わる不思議な商品。
特に中古の不動産は唯一無二の売り物なので担当者や会社を変えると見違えることが多々あります。

今回のようにタイミングも後押しするケースもありますが、ご縁を引き寄せるような取引って担当者を変えたらグッと近づいたりします。

なんかスピリチュアルな感じですみません。でもこれは不動産屋あるあるだと思うんです。

確実に言えるのは
「ちゃんとやればちゃんと売れる」
ということ。

ちゃんとやらない人が多い業界なので、
ちゃんとやるだけでも差別化できる業界
でもあります。
おかげさまで弊社は今日もたくさんのご紹介をいただけています。



不動産の買い替えでお悩みの方。
不動産の売り出しでなかなか担当者さんと折り合いがつかない方。
ぜひ一度弊社にお問い合わせしてみてください。
不動産って難しいけど、頼りになる担当者を見つけたら安心して取引できますよw


媒介を奪われて文句を言う業者さんもたまにいますが
「売主さんに対してその程度の対応しかしていなかったあんたが悪い」
と思いながらニコニコ門前払いをしますw

今回のお話は不動産屋さんの媒介ゲットの一例をご紹介しました。
こんな感じで常日頃から媒介物件の奪い合いが繰り広げられていますよ。
ということが少しでも伝わったかな~?


今回のお話もフィクションだったかもしれません。

では~

過去の不動産仲介のドキュメンタリーは以下のリンクでお楽しみ下さい
お時間がある方は読んでみてください。
↓タップ

【コラム】不動産実務~売却理由は離婚が多い~
【コラム】不動産実務~相続未登記物件の売却~
【コラム】不動産実務~相続物件の売却パート2(前編)~
【コラム】不動産実務~相続物件の売却パート2(後編)~
【コラム】不動産仲介実務~躁鬱病のお客様~
【コラム】不動産仲介実務~親の心、子知らず~

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