◆不動産と価格交渉
こんにちは。
㈱REGATEの金城です。
本日のコラムテーマ
不動産実務~価格交渉と代理人~
です。
当たり前ですが不動産ってこの世に一つしかないです。
何度も愚痴ってますが、この一つしかないモノに値段をつけることって難しいんです。。。
また、決して安くない商品ですし
その価格で売られている理由や事情もあります。
仲介というお仕事をやっていると
むやみに
「値段下げれる?」
「もう少し勉強してよ」
と言ってくる人がいます。
購入をご希望されるという前提での価格交渉なら売主さんに調整もできますが、
「下げるなら検討する」という失礼な人も結構います。
・・・失礼とは思わずに無意識でやっているはずなので気を付けましょう。
また、ご自身が現地に来れないと言って代理の方に案内をお願いする人もいますが
これもあまりお勧めできません・・・
そんな感じで仲介の現場担当者が赤裸々に語る
「不動産の価格交渉と代理人」について書き記してみます。
今から不動産を購入する予定の人。
今から不動産を売却する予定の人。
不動産の現場担当者の気持ちってこんな感じです。という内容になります。
いつものように私個人の偏った意見も満載です(笑)
人生で不動産の売主になることも買主になることもそんなに多くありません。
この記事が誰かの売買のお役に立てばうれしいです。
※約5分で読めます。
◆不動産の価格の決まり方
過去にも不動産の査定の方法や価格の決め方なんかをまとめていますのでお時間がある方は読んでみてください。
————————————–
【コラム】不動産の売り時?買い時?バブル?
【コラム】不動産査定はどうやっている?
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不動産の価格の決まり方については多種多様な考え方と物件個々の事情によって千差万別です。
戸建て、マンション、土地、商店街、駅前、海岸沿いなどの条件を加味して
投資用と居住用でも見方は違ってくるし、個別の感情でも全く違う評価になります。
例
「東京タワーが見える部屋がいい!」という人と
「東京タワーってただの電波塔じゃん。」という人。
「海が見渡せる物件必須!」という人と
「海の近くは塩害があるし車錆びるし嫌だ」という人。
それぞれの価値観で不動産の評価って変わってきます。
「快適に住みたい」という目的はめちゃくちゃ幅があって、上記のような個人の感情と価値観が評価に影響を及ぼすんです。
投資用の物件の場合は自己資本比率と融資金額、レバレッジ、インカム・キャピタル、NOIなど参考になる指標が沢山ありますが、明確に「お金を増やす」という目的があるのでほぼぶれません。
住宅は感情で価格が決まり、収益物件は理屈で決まるという感じです。
我々不動産業者ってそういった諸々の事情も考慮しながら、売主さんの家庭事情なども加味して売却の価格を決めていきます。
債務整理のための売却の場合や、転勤、離婚、死別、相続など様々な理由で売却をされる売主さん。
物件の問題点などのマイナス評価と立地などのプラス評価も織り交ぜながら価格を決定していきます。
余談になりますが投資用にせよ居住用にせよ一番ダメな価格の決め方が
「この価格で売れるなら売ってみな」
という明らかに市場相場を無視したような金額の設定です。
ま、こういった物件を扱う業者さんは
「売れるといいですね~」と言いながら
「絶対売れるわけない」と心の中でつぶやきます。
「その価格で売ってたらあなたは買いますか?」
と的を得た返答をしてお断りするのが業者の仕事だと思うんですが。。。
不動産の売却価格の決め方が大まかにわかっていただけましたか?
世界に一つしかない不動産の値決めって我々業者でも難しいんです。。。
ここからは弊社がメインで取り扱う中古不動産(居住用)に絞って記事をまとめていきます。
◆減額交渉をするマナー&コツ
色々な条件と感情をすったもんだしながら価格を決めている事が分かったら価格交渉の現場を覗いてみましょう。
世界に一つしかない不動産。
この唯一無二の商品の値段を決めて売却活動をする我々業者。
一昔前は一般の方の情報が少なすぎて、
不動産屋の言い値がまかり通る時代でした。
でも最近の情報流通が大幅に変化した市場では
不動産屋の言いなりにはならない時代が到来しました。
基本的に不動産仲介業者は安く買いたいという買い手さんの意見も尊重しますが、
反対に高く売りたいという売り手さんの考えも尊重しなければいけないんです。
特に最近ではインターネットで様々な情報がやり取りされているせいか
「とりあえず減額交渉をする」
という人が大幅に増えた気がします。
できるだけ安く買いたいという気持ちも分かります。
でもむやみやたらに減額交渉をしてくると業者は相手にしません。
ここで仲介の立場として
減額交渉を受けてみてもいいかも
となってしまうコツのようなものを教えます。
・実際に予算が幾らで、ここまで下げてもらえたら是非買いたい
→実際のご予算や購入の意図が明確であれば売主さんとの交渉を進めてあげたくなります。
・買付証明書に署名押印&身分証提出
→これは「とりあえず下げてよ」という人が嫌がります。本気で買う気も無いのに身分証明書とかを提出するのは気が引けるんでしょうね。
・絶対に買いたいという気持ちが強いが「ここがネック」と伝える
→眺望や駐車場の広さ・台数、物件の劣化など個人的に気になる点を金額で折り合いをつけるという明確な理由を提示してくれると交渉をやりやすくなります。
どれも共通するのは「本気で買いたい」という前向きな意欲が仲介の業者に伝わるか?という点です。
逆には?ふざけるなというNGな減額交渉もお教えしますね(笑)
・ここまで下げるなら検討するよ
→さっきのやつと似て非なるものです。上から目線で下げるかどうかの結論を貰ってから購入を検討をするのは基本的にお断りされます。
下げることを前提で来るお客様はいい物件に出会う確率は低くなります。
こういう人は「買主がお客さんだろ!お金を払うんだから」という勘違いをしています。
売る人も買う人も双方がいて不動産の売買は成立するんです。
・電話の問い合わせの時に「安くなる?」と聞く
→これも言語道断。まず現地を見もせず価格交渉をするのはNGです。「難しいです」と電話を切られてお終いです。
担当者に会わずに電話でとりあえず交渉というスタンスはやめましょう。携帯番号はしっかりと登録されて次回から相手にされなくなります。
例「○○市土地 いきなり減額交渉してきた」
みたいな登録をされる可能性が高いです(笑)
・案内してすぐ「高い!高い!」と騒ぐ
→これは高齢のご婦人方に多い傾向。。。値段を見てるはずなのに来てすぐに「高い」「高すぎる」と室内で騒ぐご婦人。。。
売主さん同席の時にこれをやると絶対に一円もまけたくない気持ちが高まります(笑)
「高いと思うなら出ていってください」と言われて終わりです。。。
・「○○はもっと安い」「この辺は○○円が相場だ」
→これを言われたときの正直な気持ちは「じゃ、そっち買えよ」「相場は不動産屋が一番熟知しとんねん!」ってなります。
※媒介契約を取るためだけに相場よりも明らかに高すぎる物件を売り出す業者さんは除きます。
買い手さんの立場ではスーパーや家電量販店の買い物と同じ感覚を持たれる方が多いんですが、
中古不動産は個人が売っているケースがほとんどです。
貴方が今まで大事に住んできたご自宅にいきなり
「値段下げて」と言われても応じませんよね?
特に仲介担当者に対する態度が横柄だとそもそも売主さんに交渉を持っていくことすらしてくれなくなります。(笑)
逆に言えば仲介の担当者に寄り添って、売主さんの気持ちも考えながら交渉をお願いすれば減額交渉の成功率は間違いなく上がります。
いかがでしたか?
基本的な事なんですが仲介の担当者も売主さんも感情があるという事を肝に銘じてください。
相手側に気持ちよく交渉を呑んでもらう努力も必要なんです。
◆代理人に交渉させるのはNG
さて、交渉の現場で成功率が上がってきたところでもう一つのあるあるを。。。
「代理人に見せて決める」は決まらない。
という事実です。
沖縄という島国のため自分が動けないので親戚とか身内の人に「代理で見てもらう」という人が多いです。
でも不動産屋の本音としては
「代理の人が見ても決めきれないよ」という感じです。
実際に代理人が見て契約までできる確率は10%も無いんじゃないかな・・・
ここで私が予想する決まらない理由をそれぞれの立場で考えてみました。
・仲介会社の本音
代理人に見せても実際の買主が
「これ想像と違う」
「やっぱりやめます」
ってなったらそこまでの時間が無駄。
そもそも実際に住まない人が見ても
「見る場所」と「気にする点」が一致しないし、、、
不動産という高い買い物を代理に任せるのはいかがなもんか?
という感じであまり前向きに対応してくれません。
・代理人の本音(仮)
代理の方の視点は「とりあえず来た」という考えが強くなります。
「自分が買うわけじゃないし、よさそうならいいんじゃん?」
「駐車場が少し狭いけど大丈夫でしょ」
「日当たりが少し悪いけど気にしないっしょ」
という感じで当事者意識が低くなってしまっています。
・買主の本音(仮)
「取り合えず押さえたい」
「実際に見ないと不安だけど、無くなったら嫌だし」
「まずは押さえてから交渉すればいいんじゃない?」
という軽い考えになってしまい簡単に代理人にお願いをしてしまいます。
人気の物件になればなるほど代理の案内が多くなります。
でも我々業者の感覚としては人気の物件であればあるほど、代理じゃなくて実際に来た方を優先して契約します。
当たり前ですが成約確率が大幅に下がる代理の人を相手にしなくても「決まる」からです。
私は代理の方のご案内でもお断りはしませんが、最終的に買う人に実際に来てもらう事を常にお勧めします。
また、契約の時まで現地を見れないという場合は契約の特約に
「現地を見ないで了承したので文句を言いません」
みたいな文言は絶対に入れます。
代理人に決めさせる契約は百害あって一利なしです。
周辺環境、立地、町の雰囲気、物件までの道のり、臭い、騒音など現地に行かないと分からない事がたくさんあるのが不動産なんです。
そんな中で代理人に価格交渉までさせる人もたまにいます。
冒頭から読んでいただいた方ならご理解いただけると思いますが
「減額交渉」×「代理人」
となると不動産屋はほぼ相手にしてくれなくなるので注意が必要です。
◆いいご縁がつながるように
我々の不動産屋さんは物件を成約&引き渡しをすることで生活しています。
その確率が大幅に下がる上記の減額や代理人の案内は敬遠されます。
どうしても沖縄に来れない理由があるならそれは「ご縁」が無いと思ってください。
日帰りの飛行機とレンタカー代で10万円もあれば物件を見る事は出来るはず。
高額の不動産を購入するんだし、買った後は住むという事を考えると
10万円の案内経費は高すぎるものでは無いと思います。
東京から何度もお越し頂いて実際に物件を吟味してもらったお客様のケースで
「こんなに何度も足を運んでもらってるし、本気で購入したいんだな」
という気概が売主さんに伝わって大幅な減額交渉が成立したケースもあります。
また、
「再来月に沖縄に行くから押さえておきたい」
という方もたまにいらっしゃいますが
「その時まで残っていたらご案内差し上げます」
とお伝えしています。
「待ってくれてもいいのに!」
と憤慨する方もいるかもしれません。
でも、売主さんの立場に立ってみたら
「再来月まで売り出しをストップして買わなかったらどうするの?」
という感情が湧くことも容易に想像できると思います。
我々不動産業者は売主様と買主様の「ご縁」を繋いでいます。
売主様も買主様もあってこその仲介だと心得ています。
どちらの立場にも感情移入しますし、どちらの味方もします。
究極の八方美人の商売です。
でも「嘘」や「目先の利益」で契約を優先しても「いいご縁」には繋がりません。
減額交渉をすぐに受け入れたり、代理の方と進めてしまう契約なんかは営業マンの目先の数字を追う行動でしかありません。
売主様にも買主様にもご納得いただいて物件を引き渡しができることが私たちの最大の喜びです。
最後はなんだか仲介業者のCM見たいになりましたね(笑)
でもコツコツと「いいご縁」を結ぶ仕事をすると最後に「ありがとう」っていう感謝の言葉と
「ご紹介」という大きなご褒美をもらえる事を知っています。
なので今日も小さなご縁をコツコツと紡いでいます。
いい「ご縁」をお求めの方はお気軽にご相談ください。
では~
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