◆日本とアメリカ
こんにちは。
㈱REGATEの金城です。
本日のコラムテーマ
日本とアメリカの不動産業界の違い
です。
最近は不動産実務のニッチな内容に偏っていました。
少し視点を変えてグローバルに目を向けてみようと思います。
日本はアメリカや中国と違って不動産の取引習慣がガラパゴス化されています。
ソフトバンクグループの出資や撤退で噂になったOYOやWeWorkなどの進出にもうかがえるように
今後アメリカや中国など海外の不動産テック企業が進出してくる可能性は十分にあります。
どこかで「日本の不動産業界が怖れるのは、同業他社ではなくテック企業だ」という記事を見た気もします。
本土に比べて更に遅れをとっている沖縄の不動産業界。
内地の人からしたら情報も閉鎖的な沖縄の不動産情報。
沖縄で不動産に携わる身として海外の不動産事情を勉強しているので
忘備録もかねてコラムにしてみることにしました。
間違いや勘違い、解釈の違いなどがあれば是非ご指摘ください。
※いつもは個人的な偏見を突き通しますが、今回はできるだけ客観的な事実を書いていきたいと思います。
※約5分で読めます
◆日本とアメリカの営業マンの違い
日本では不動産を売却(購入)しようとすると不動産会社に依頼をしますが、アメリカではエージェント(担当者)に依頼します。
日本の場合、会社が大きくてネームバリューがあっても担当者がポンコツという事もよくあります(笑)
アメリカのエージェントはフルコミッション(成果報酬型)の形態が主流で、不動産会社(ブローカー)と業務提携契約をしており成約したら「会社30%:エージェント70%」という形で収益を分けたりすることが多いようです。
(エージェントの能力によって50:50とかまちまち)
エージェント個人の能力が高ければ高いほど成約率も高まりますし、成約実績が多くなれば顧客からの指名&紹介も増えます。
収益確保のために会社も優秀なエージェントの獲得に躍起になります。
エージェントを会社内に引き留めるために働きやすい環境を整えたり、技術的なサポートを工夫するなど会社側も必死です。
エージェントが自分で仕事を取れるなら会社に所属する意味がないように思えますが、アメリカではエージェント(宅建士)になっても、会社=ブローカー(宅建業免許資格)が無いと営業ができないという法律があるみたいです。
日本では従業員の誰かが宅建士の資格さえ持っていれば、供託金を支払って免許を受けることで店舗を構えて不動産の営業ができますが、
アメリカでは会社を構えて不動産業を営むための資格試験(宅建の上級試験)もあるというイメージです。
(医者や弁護士と並ぶくらい難易度の高い資格らしいです)
また、日本の場合は会社の広告力と業歴の長さで集客して、担当者の実力よりも会社の大小がお客様の業者選定の基準になってますよね。
アメリカでは会社に所属する意味も日本とは違い、分かりやすく例えるとタレント事務所と芸能人といった感じでしょうか。
事務所の力が大きければ集客もしやすくなりエージェントにも仕事がたくさん入る。
事務所としては優秀なエージェントを長く引き止めたいので待遇面などを優遇する。
看板になるようなエージェントが活躍すればそれに憧れて更に所属エージェントが増える。。。みたいな。・・・違うか(笑)
エージェント個人の過去の業歴や成約実績なども公開されていて、人気になればなるほど稼げるのでエージェント間の競争も熾烈で常に切磋琢磨しているとのこと。
(口コミや個人の取引実績などもオープンになっているので悪いことができないらしいです。)
アメリカでは「会社」よりも「人」を指名する傾向にあり、日本では人よりも会社を選ぶ傾向にあるという感じですね。
日本のポンコツさんみたいに定時出社~残業代を貰って飲みに行くという担当者は生き残れません(笑)
会社の看板におんぶされて定年を待つような人が減るので不動産業界全体のレベルアップにもいいかもしれませんね。
顧客利益を損なうような営業なんて誰からも相手にされなくなってしまいます。
宅建を持っているというだけで偉そうにしているような・・・
これ以上言うと誰かに怒られるかもしれないので慎みますね・・・(^^;
◆不動産の価値観の違い
そもそもアメリカでは不動産を所有することは「終の棲家」という考え方ではありません。
取得して→住んで→リフォームして→価値を増して→売却という考え方です。
(ストック型)
日本は古くなれば建物に価値が無くなる→再建築という考えが通例です。
(スクラッブ&ビルド型)
アメリカではMLSという誰でも不動産情報を見る事ができるシステムがあります。
不動産を預かった業者やエージェントは24時間以内に不動産の情報を登録しないと業務停止などの厳しい罰則が科せられます。
日本でいうREINSに似ていますが登録データの詳細情報などが比べ物にならないらしいです。
アメリカではこのMLSによって過去の取引事例などを誰でも(個人も)閲覧できるので
不動産価格が明瞭で、取引をする時は最終確認のためにエージェントを選ぶと言われています。
日本で横行している「高預かり」や誰が見ても売れない高い価格=需要が無い価格で売り出すこと自体が恥ずかしくてできないらしいです。
日本では不動産価格自体が不透明で物件の売り出し価格が適正かどうかを個人が知ることも困難ですし、
不動産屋であってもちゃんとした価格設定をできないポンコツもたくさんいます(笑)
また、日本では不動産データの開示をしないことで囲い込みが横行したり、不動産の価格の公平性が失われていると言われています。
日本で売り出されている不動産価格の根拠のほとんどが「不動産業者の主観と感覚」ですしね。。。
また、購入者による物件の探し方も日本と真逆になります。
アメリカでは購入したい物件を探し、周辺でどのような物件が売られているかを顧客自らが調べてから、買い手側のエージェントに依頼をして家を診てもらうという手順です。
日本では物件を探すところまでは一緒ですが、物件を掲載している業者にお願いをして、そのまま契約まで同一の業者にお願いするという形ですよね。
アメリカでは不動産をエージェントに診てもらうのに対して、日本では不動産を見せてもらうという習慣になっています。
日本の場合は取引の際も売主と買主の両方から手数料を貰う両手取引を目指す業者が多く、物件情報の囲い込みも後を絶ちません。
手数料無料をアピールするような業者も多くいますし。。。本末転倒です。
アメリカでは仲介手数料の概念も違います。
一つの業者が売主と買主の双方から手数料を貰う両手取引が禁止されていますし、買主側のエージェントの分の手数料も売主が支払うのが通例です。
それだと売主が不利だという考えも出てきますが、売主も買う時は手数料を払っていないので公平性が維持されています。
先に述べたように売主は買った時よりも高く売ることが多いので、その中に手数料も含まれているという感じです。
エージェントへの手数料を買主が払わないでいいので、買主としてはエージェントを介すデメリットがありません。
買主側のエージェントによって物件の詳細をプロの目線で分析してもらえるので取引の安全性の向上にも寄与しているみたいです。
売主側も買主がエージェントを連れてくるのが必然なので下手な嘘は付けないし、プロとの交渉を代行してもらうために売り側のエージェントに依頼することになります。
日本では仲介手数料を支払う事にデメリットを感じる人がいて、個人間売買を行う事もありますがアメリカ式では常にプロが介在するので不動産取引の安全性も担保できるようになっているみたいです。
また、売主側のエージェントは買主側のエージェントとの価格交渉などを請け負い、プロ同士で適正な取引を目指すので利益の相反などが起きにくいというメリットもあります。
いわゆる中抜き(三為取引・中間省略)などの防止ですね。
◆日本は売主責任・アメリカでは買主責任
日本の不動産取引では物件を購入した後に何か不具合があれば、基本的に売主に責任を取ってもらう傾向にあります。
宅建業法の改正によって、2020年4月から瑕疵という表現が無くなり契約不適合責任という名目で更に売主の責任範囲が広がったと言われています。
反面、アメリカでは基本的に買主が責任を負います。
そのために売買契約後に買主が徹底して物件を調査する期間が設けられていて(デューデリジェンスと呼ばれます)、設備や電気系統、修繕履歴やシロアリの調査などを行います。
買主は仲介手数料を支払わない代わりにこのインスペクション調査や修繕にお金をかけられるという仕組みになっています。
調査の結果で契約内容との齟齬が著しい場合などは売買契約の取り消しもできますし、訴訟に発展するケースもあるようです。
日本ではようやくインスペクションが認知されてきていますが(まだされていないか?)、アメリカでは昔から不動産のチェックを徹底するという習慣が根付いています。
日本のように不動産という商品が不透明で分かりにくくなっていないので、不動産取引で業者だけが儲けるような仕組みができにくくなっています。
売主も買主も嘘がつけないしエージェントもお客様を出し抜くことができないという感じですね。
さらにエージェント自身も目先の売り上げと利益が目的でなく、自分の名前と履歴を育てることに集中するのでいい循環が生まれることになります。
◆日本の不動産業界の在り方
必ずしもアメリカのやり方だけが正しいとは言いきれませんが、見習うべき点は多々あると実感しました。
日本の、沖縄の不動産業界という狭い世界に居ては見えてこない改善点やヒントなんかがたくさん見つかりました。
弊社のような小さな会社では業界を変えられるような力はありません。
このコラムを定期的に読む希少な(笑)同業者の方々にも業界変革のヒントをつかんでもらえたらな~と思う次第です。
業界を変えるには圧倒的に個人が勝つしかないらしいです。
「あいつ、儲かっているな。勝っているな。」
と注目を浴びて
「真似してみよう」
となって真似する人が増えていけば業界が変わるとのこと。
という事は沖縄の不動産業界を変えるためには私が圧倒的に勝つしかないらしいです(笑)
沖縄で一番紹介を貰える「紹介率No1」を目指しているので少しづつファンを増やしていこうと思います^^
紹介を取る一番の近道はお客様のために地道にコツコツ積み重ねる事です。
嘘や偽りを並べて、一攫千金やホームランを狙って楽しようとする人が多い業界なので、同業者には真似しようにもできないかもしれませんね(笑)
周りが気が付いた時には、真似する気も起きないくらい高い山の上で砂粒を積み上げている不動産屋になろうと思います(笑)
次回の記事はアメリカの不動産テック企業について書いてみます。
【コラム】アメリカの不動産テック企業「ZORC」
今後も沖縄の不動産あるあるや不動産実務体験記、妄想による未来予想などを書いていきます。
では~
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