不動産業界の
古い「枠」を取り壊して、
新しい「門」となる。
It will be a new "gate" by demolishing the old "frame" of the real estate industry.

BLOG
7月12日
2022
アメリカの不動産テック企業

◆不動産テック企業について

 

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

本日のコラムテーマ
アメリカの不動産テック企業
です。

 

前回のコラムでアメリカの不動産事情を取り上げたついでにアメリカの不動産業者さんのことも調べてみました。

前回の記事→日本とアメリカの不動産業界の違い
今回の記事は前回の記事の延長ですので、予め前回の記事を読んでいただければ話が分かりやすいかもしれません。

 

今回はさらに深堀りをして、不動産のGAFAと言われる「ZORC」というアメリカの巨大不動産テック企業のご紹介をしてみようと思います。

Z=Zillow
O=OPENDOOR
R=REDFIN
C=COMPASS

 

私が調べた情報が古くて、今では違うサービスも展開しているという事もあると思いますが、アメリカの不動産テック企業ってこんな感じなんだ~くらいに読んでくださいw

 

 

ではど〜ぞ〜

 

◆アメリカ最大のポータルサイトZillow

 

 

まずはZillowのご紹介。
アメリカ最大の不動産ポータルサイトの運営会社です。

 

この記事をここまで読む人は不動産テックについて調べているか、興味があって読み進めていると思います。
なので「Zillow」という企業の名前くらいは聞いたことあるかもしれません。

 

Zillow(Wikipedia)

簡単な概要は上記のWikipediaにも書かれていますがまとめるとこんな感じの企業です。
————————————
・アメリカ全土の不動産データベースを運営する会社
・過去の不動産の売買価格などの物件情報を網羅
・現在の不動産価格、過去の成約事例、近隣の類似物件などが見れる
・不動産の価格を透明化している
・リフォーム履歴なども反映される
————————————

上記のように不動産の取引事例などをオープンデータ化することで、アメリカの不動産検索サイト市場で圧倒的な支持を集めている企業です。

 

他社の追随を許さない膨大な情報量で約1億件以上の市場データを保有すると言われています。

不動産の売主が直接物件を登録して購入希望者を募集する機能を搭載したり、現在の自宅の価値をすぐに把握できるようにしていたりとエンドユーザー目線のサービスが豊富です。

 

想定の売却価格やエリアの詳細(犯罪率)なんかも掲載されているので、売主だけでなく購入予定者の利用度も高く、地域の取引価格が上昇しているのか?下落基調なのか?なども把握することができるそうです。
ちなみに先に述べたように過去の取引事例も分かるので、売主がいくらの売却益を出すのかも買主が把握できる仕組みになっています。過去にいくらで売られていて、今いくらで売り出しているから〜って逆算ができるんですねw

外観だけでなく室内の写真や間取りなんかも確認できるので、沖縄のポータルサイトによくある「外観なし・地図無し」の物件情報なんかは見向きもされませんwww

また、過去の取引データも全て見れるので、現在販売していない物件の内観などもずっと公開されているのでプライバシー侵害の問題なんかも取り沙汰されることがあるようです。

ちなみにZillowの売り上げはエージェントや不動産会社から支払われる「広告料」で成り立っています。
最近では自社で買い取り再販をするiBuyer市場にも参入しています。

 

まあ、日本で言うところのSUUMOやat-homeみたいな存在という感じですかね。

 

 

◆中古住宅を直接買い取るOpendoor

 

お次はOpendoor。

アメリカの不動産テック企業を牽引してきたユニコーン企業の一つ、2014年創業のOpendoorのビジネスは簡単に言えば、不動産の買取と販売です。
Opendoorは上場初日に1兆6000億円という衝撃的な評価額をたたき出したことで有名です。

 

AIによる物件の価格査定を行い、スピーディーに物件を購入、転売をすることで利益を出すシステムで、デジタル再販分野の開拓者と言える企業です。

売主と買主の仲介マッチングではなく、Opendoor自身が買取って、再販売を行う事業で収益を出します。
先に紹介したZillowもOpendoorが切り開いたiBuyer市場に追随しました。

 

Opendoorの最大の特徴は最短2日で不動産を買い取ってくれるというビジネスモデルです。

アメリカでも持ち家を売却する時は「査定~販売~交渉~契約~引き渡し」という流れが一般的で、早い取引でも少なくとも1~2か月は要してしまいます。

Opendoorでは売却までの「査定→契約→融資→決済」を徹底的に簡略化していて、ワンクリックで不動産の買取をしてもらえるという事で、早く現金化したいという売主のニーズを満たしています。

その際のスピーディな不動産価格査定アルゴリズムを武器に一気に上場を果たしたという感じです。

ぎゅっとまとめると、買取再販に特化し、そのためのAIによる不動産査定システムが凄いという企業ですね。

 

 

 

◆住居用不動産のブローカーRedfin

 

2004年に設立されたRedfin。

Zillowの様にポータルサイトに住宅情報を掲載し、住宅の購入希望者や売却検討のユーザーを獲得。
そして自社で抱えるエージェントに繋いで売買契約もできるのが特徴です。
不動産サイトの広告収入と自社で仲介する手数料の二本柱で収益を上げるビジネスモデルです。

自社でブローカーとなり、MLSに直接アクセスする権利を持っていて情報更新が早いという強みも持っています。
Zillowの情報更新は若干遅れ気味で利用者からの不満も多いらしいです。。。

 

Redfinはテクノロジーを最大活用しながらユーザー集客とエージェントの業務効率化を図り、仲介手数料を安くすることで業界に勝負を挑んでいます。

広告課金型のZillowとの大きな違いは自社でも売買ができるブローカーであるという点です。
自社でエージェントを抱え集客もできるので、固定給のエージェントを確保し、フルコミッションのエージェントを介さずに売買することができるとして、仲介手数料を大幅に下げることが可能になっています。

また、Redfin Directという「買い手側のエージェントをすっ飛ばして、売り手側のエージェントに直接購入申し込みができる」というサービスシステムをローンチしたことで業界内から大きなバッシングを受けたことも有名です。仲介手数料を削るために買い手のエージェントを不要としたんですね。

前回の記事でも書いたようにアメリカでは買い手のエージェントを付ける事のデメリットがほぼありません。
エージェントを介さない購入申し込みは売り手側からも嫌がられます。
そのためこのサービス自体が主流になることはありませんでした。

 

RedfinはAIによる不動産価格の算出結果を受けて、現地のエージェントが更に推定価格の修正を行うことで不動産査定価格の精度が高いともいわれています。

ZillowもAIによる不動産の価格算出を行いますが、実勢価格との乖離も問題視されていて、この辺りはRedfinに軍配が上がっているようです。

弊社の不動産自動AI査定システムはRedfinのサービスに近いものになっています。(Redfinと比べるとお粗末すぎて怒られるのを覚悟ですw)
沖縄県南部というニッチなエリアですが、各地域の不動産取引事例を収集してデータに組み込んでいます。

ご興味があればご活用ください。

 

Redfinは簡単にまとめると仲介手数料を下げることで不動産業界に変革を起こそうとしている会社という感じです。

 

 

◆全米に拠点を持つCompass

 

 

Compassは2012年に設立されソフトバンクビジョンファンド(SVF)から多額の出資を受けた事でも有名です。
特徴としては8000人以上のエージェントを要し全米に拠点を持つ唯一の不動産会社です。

 

最先端のテクノロジーによって不動産エージェントの業務改善をサポートし、生産性の向上を支援するソフトウェアを開発したことで自社で抱えるエージェントを増やし続けている企業です。

365日夜の12時までサポート対応をするコールセンターも抱えており顧客満足度も高め。

先に紹介したRedfinのエージェントは固定給で働くため残業をしません。そのため夕方の18時以降は電話に出ないという欠点があり、顧客は情報更新が早いRedfinで物件を探して遅くまで対応が可能なCompassに頼むという流れがトレンドになってきているらしいです。

また、Compassの最大の特徴は高級不動産に特化し、能力の高いエージェントを確保し続ける点にあります。
主要都市にエージェントが利用可能な高級オフィスを提供するなど、エージェントに対する優遇が高いという事も特徴的です。

 

Compassの特徴をまとめると、全米規模の不動産屋さんで能力の高いエージェントがたくさん在籍しているエージェントファーストの企業で、優秀なエージェントを確保できる分、顧客満足度を高く維持している会社という感じでしょうか。

 

◆まとめ

 

以上が不動産のGAFAと言われる「ZORC」のご紹介でした。

めちゃくちゃ省略して紹介しましたがついてこれましたか?

 

ごちゃごちゃしているしカタカナが多いし、、、今回の内容は全然入ってこない!いい加減にしてくれ!

という方のためにさらに噛み砕いてみます。

 

Zillow=物件情報サイト
Opendoor=買い取り業者
Redfin=情報サイト兼不動産屋
Compass=全国に店舗がある業者

 

こんな感じですw

 

このZORCが最先端のテクノロジーと巨額の資金を用いることでアメリカの不動産業界を変えてきました。
今回ご紹介した企業はほんの一部に過ぎず、アメリカではこのようなテック企業が切磋琢磨しています。

 

日本の不動産業界も少しづつテクノロジーを取り入れつつありますが。。。全然追い付けません。
REINSのシステムを一般公開してリメイクすれば・・・という考えもあったようですが物件情報の正確性などがMLSに太刀打ちできないし、そもそもREINSの一般公開を反対する業界団体関係者も多くいらっしゃいます。。。

 

REINSのシステム改修を国費で賄って、法改正をして、最新のテクノロジーにアップデートして、不動産屋さんにそれを周知して。。。
日本ではやることが山積みで頓挫しまくりの不動産業界改編です。

 

弊社ではZORCの真似をしながらいいとこ取りをして、沖縄のニッチな市場に当て込んでみるという実験を繰り返しています。

Zillowのように透明性のある物件情報と物件価格をユーザーに届け、RedfinとCompassのように優秀なエージェント集団を構築、Opendoorのように即金を希望するユーザーさんのニーズも網羅。。。

・・・道は果てしなく遠いですw

ですが何かが見えてきている気もします!

 

今後も沖縄の不動産あるあるや不動産実務体験記、妄想による未来予想などを書いていきます。
では~

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この記事を書いた人

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