こんにちは~。
株式会社REGATEの金城です。
本日は不定期連載のコラムです。
前回は借地権についてお話しました。
地主も大変。
借地人も大変。
相続人も大変。
それなのに100年以上続いている不思議な制度。
そんな話でした。
そして今回は、その借地権が抱えていた問題を解決するために生まれた制度、
「定期借地権」
について考えてみたいと思います。
前回も書きましたが、不動産業界には昔から
「土地は貸すな」
という言葉があります。
理由は簡単です。
一度貸すと返ってこない。
地主の事情で返してほしくても返してもらえない。
土地の価値も下がる。
相続でも揉める。
こうした理由から、多くの地主は土地を貸さなくなりました。
でも、それでは困る人もいます。
土地は欲しいけれど買えない人がいて
土地を遊ばせたくない人がいます。
本来なら、お互いにメリットがあるはずなのに制度が原因で新しい借地契約が減っていったのです。
そこで1992年に誕生したのが
「定期借地権」
でした。
最大の特徴は、
契約期間が終われば必ず土地が地主に返ってくること。
更新はありません。
地主からすると、
「これなら安心して貸せる。」
という制度になりました。
つまり定期借地権は、
借地権をなくした制度ではなく、
借地権を現代向けに作り直した制度
と言えるかもしれませんね。
この制度を利用して増えたのが
定期借地権マンション
です。
デベロッパーの土地取得費が不要になるため、
販売価格は所有権マンションより安くなることが多いです。
例えば、
所有権なら6,000万円。
定借なら4,800万円。
そんなケースも珍しくありません。
なかなか土地が市場に出ない人気エリアでも、
「売るつもりはないけど、定期借地なら貸してもいい。」
という地主がいるため、新しいマンションが建築される可能性が広がりました。
これが最大のメリットです。
私は定借マンションのメリットは意外と明確だと思っています。
土地代が含まれないため、同じ立地なら所有権より安く購入できるケースが多くあります。
ただ最近は建築費そのものが大きく上昇しているため、以前ほど「定借だから安い」というような価格メリットは感じにくくなってきている印象もあります。
「この場所は欲しいけど価格が高すぎる」
そんな場所でも定借で価格が抑えれたら選択肢になります。
子どもに資産を残す予定がない。
住み替えも考えていない。
老後まで住めれば十分。
そんな考え方なら、価格差を考えると合理的な選択になる場合もあります。
ここからは私が実務上で気になる点です。
所有権は時間が経っても土地は残ります。
しかし定借は違います。
建物が古くなるだけではなく、
借りられる期間そのものが毎年減っていく。
これは所有権にはない特徴です。
契約が終われば返還です。
つまり、
相続する頃には残り期間が短くなっている可能性もあります。
契約満了後は更地で返還する契約が一般的です。
そのため管理費や修繕積立金に加え、
将来の解体費用を積み立てるケース
もあります。
所有権マンションにはない負担です。
一般的な所有権マンションの査定に響く築年数だけでなく、
残存期間
がもろに価格に影響します。
例えば築30年でも残り40年ある物件と、
残り20年しかない物件では評価は大きく変わります。
金融機関によっては融資条件が厳しくなる場合があります。
購入時だけでなく、
売却する相手もローンが組みにくくなる可能性があります。
これも資産性に影響します。
ここが一番難しいところです。
私は、
「人による」
という答えになります。
例えば、
・とにかく人気エリアに住みたい。
・価格を抑えたい。
・相続資産として考えていない。
こういう人には選択肢になると思います。
しかし、
資産形成。
将来売却。
子どもへ相続。
こうした目的なら、慎重に考えるべき商品だと思います。
ここまで所有権、借地権、定期借地権と考えてきました。
私が感じるのは、
定期借地権は
「土地を所有する」という考え方から、「一定期間住むサービスを利用する」という考え方へ近づいた制度
なのではないかということです。
だからこそ、人によって評価が真逆になります。
「安く人気エリアに住める良い制度」
と考える人もいれば、
「将来資産が残らない悪い商品」
と考える人もいます。
どちらも間違いではありません。
定借物件は二面性のある資産であることは間違いないです。
大切なのは、自分が住宅に何を求めるのかを理解したうえで選ぶことだと思います。
昔は「土地を持つこと」が豊かさの象徴でした。
しかし今は、「必要な期間だけ利用する」という価値観も少しずつ広がっています。
定期借地権は、その時代の変化を映した制度なのかもしれません。
ここ最近。土地の所有権の考えから定借マンションまでいろいろと考えてきました。
次はまた不動産の歴史を掘り下げるかもしれませんし、
全然違うテーマになるかもしれません(笑)
また面白そうなネタが見つかったら、不定期連載としてお届けします^^
あくまでも沖縄県南部のイチ不動産屋の考えなので、参考程度に読んでもらえたらと思います。
では~。