不動産業界の
古い「枠」を取り壊して、
新しい「門」となる。
It will be a new "gate" by demolishing the old "frame" of the real estate industry.

BLOG
3月2日
2019
市街化調整区域の不動産評価

こんにちは。
㈱REGATEの金城です。

市街化調整区域の不動産評価の仕方と調査項目

都市計画

について思うことを書き記します。

 

市街化調整区域の不動産の価格を知りたいと検索をかけてこの記事にたどり着いた人は

市街化調整区域の不動産って売れるの?できるだけ高く評価してほしいんだけど。。。

という人が多いはず。なので今回は市街化調整区域の不動産の査定実務をご紹介しようと思います。

 

※市街化区域と市街化調整区域についてはあえて説明を省略します。気になる方は以下をタップしてください

都市計画-Wikipedia

 

ちなみに東京都心部など市街化調整区域に縁がない人にはあまり為になる内容ではありませんw

 

 

不動産の価値は建築の可否で決まる

 

まず、私たち不動産業者が土地の査定をするうえで真っ先に確認することは

「この土地に建物を建てることができるのか?」
「建物を再建築できるのか?」

この二点が非常に重要です。

 

その理由としては“建物を建てることができない土地だと使用用途が限られてしまう”からです。

建物を建てることができない土地はヤードか畑しか利用方法がないなど使用用途が限りなく狭まります。最近は太陽光の投資にも使われるみたいですが。。。

 

また、査定&調査の段階で「接道義務」を満たしているか?なども重要になってきます。

基本的に不動産の査定に於いて建築基準法上の道路に面していない土地は建物の建築が不可となってしまい、評価がガタ落ちになります。

 

市街化調整区域では現存する建物が古く再建築ができないケースや基準法上の道路に面していない土地などが多く、市街化区域に比べるとどうしても土地の利用価値が低くなりがちです。。。

 

 

市街化調整区域の調査

 

 

 

1.緩和区域かどうかをチェック

 

調査を行なって「市街化調整区域」に該当した場合、「緩和区域」かどうかを確認します。緩和区域だと住宅の建築が可能なので評価が高くなります。
反面、市街化調整区域で緩和区域にも該当しない場合は白地(しらじ)といってその土地に建物を建てることができる人が限定されてしまうので市場流動性がなくなってしまいます。
※農業従事者とか、都市計画による収用の特例者などしか建てられない土地。

上記のように限定的な人しか「建築ができない」となると必然的に評価も大きく下がります。

あと農業振興地域の土地だと農業用施設しか建築できないため更に評価は下がります。

 

 

例:同じ広さの平坦な土地があったとします。

市街化区域で誰でも建築可能
=坪単価30万円

建築可能の緩和区域
=坪単価15万円

白地
=坪単価5万円

農振
=坪単価5千円

 

こんな感じで査定評価額に歴然とした差が発生します。

 

 

2.既存宅地かどうかをチェック

 

「緩和区域」に該当した場合、更に高い評価の可能性を追求するために「既存宅地」であるかどうかを確認。
この既存宅地制度が利用できると市街化区域の第二種低層住居専用地域並みに土地の利用価値が高くなる(建てられる建物の用途が広がる)ため、需要が大きくなり必然的に土地の価格は上がります。

 

例:

市街化区域で誰でも建築可能
=坪単価30万円

緩和区域の既存宅地
=坪単価30万円

建築可能の緩和区域
=坪単価15万円

白地=坪単価5万円

農振
=坪単価5千円

この既存宅地については役所の税務課の調査などですぐにわかります。

 

※既存宅地制度は平成12年の都市計画改正法によって廃止されましたが、沖縄県においては暫定的に運用されています。

 

3.既存宅地でも要注意?

 

今回このテーマを取り上げた大きな理由ですが、沖縄県糸満市束里というエリアの土地を査定調査して「既存宅地なのに既存宅地制度が使えない」という難題に引っかかったんですね。。。

んで同じように調整区域の不動産を査定する人が落とし穴に落ちないように共有したいと思った次第です。

 

この糸満市の土地はぱっと見たところ「緩和区域の既存宅地」でした。

古い建物も建っているし広い整備された道に接道。高台にあり海も見えて県外からの需要もありそうな好立地。
いろいろな好条件が付加されて査定評価も高く意気揚々と調査に取り組んでいましたが。。。
税務課で「宅地課税証明」を取得できたにもかかわらず、既存宅地制度を利用できないという事実が判明。

 

既存宅地制度を利用するための

「連たんする建物が50戸無いといけない」

という条件をクリアできなかったんです。
惜しい事に40戸で途絶えてしまいました・・・

 

宅地課税証明書を取得したとしてもこの土地の周辺で50戸の建物が連たんして連なっていないと既存宅地制度が使えないということなんですね。

最終的な調査結果として「市街化調整区域の緩和区域」のみに該当。既存宅地制度が使えたら坪単価も跳ね上がっただけに残念で仕方ありません。

 

 

不動産の査定は適当にはできない

 

ここまで紹介した都市計画だけでなく、道の状況や排水経路、土地の高低差、土地の形など不動産査定の価格を上下する要因はたくさんあります。

 

ちなみにこの糸満市の物件は売主さんが以前に地元の不動産業者に聞いたら
「あそこは田舎過ぎて売れないよ」
の一言で一蹴されてしまったとのこと。

売主さんはその売れないという言葉を鵜呑みにしてしまい、しばらくはこの土地を放置していたらしいです。

とあるご縁で私が査定調査を行い

「この価格で売れます!」

と評価をした時にはびっくりされていました。地元の業者さんに売れないと言われていた土地が予想よりも高く評価されたから当初は半信半疑でしたが。。。w

 

我々不動産業者はお客様の資産を評価するときに
「あらゆる可能性を追求してより高い価格で売り出せること」
を重点に不動産を評価していくべきだと思いました。

少なくとも「あそこは田舎だから売れない」と勝手に決めつけて評価をするべきではないですし、そんな業者さんは早く居なくなってしまった方が世の為です。

 

最後になりますが市街化調整区域だからと言って売れないと思い込まずに

「ちゃんと査定評価をしてくれる業者がここに居るよ」

という事をメッセージとして残して終わりにしようと思います。

長々とお付き合いいただきありがとうございました〜

では〜

—————————————-
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この記事を書いた人

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